(『手作りトルティーヤから極めるタコス』より)
TORTILLA de MAIZ
とうもろこし粉のトルティーヤのつくり方
タコスは、まず土台になるトルティーヤが大事。マサ粉に水と塩を加え、手の感覚を頼りに練り上げていく工程は、シンプルで奥深いもの。生地が滑らかにまとまったら、それが初めの一歩です。湿度、気温、粉の種類により吸水具合が変わるため、水分量は前後します。
トルティーヤプレスの選び方

便利な市販のタコス専用のプレス機。生地を均一に効率よくのばせます。木製、手頃なアルミ製、重みある鋳鉄製などがあり、中でも鋳鉄製は圧力がかかりやすく、ムラのない仕上がりになります。
トルティーヤプレスがない場合

まな板や底が平らな平皿などで代用可能。保存袋で挟んでのばします。
材料(つくりやすい分量・直径13cmのトルティーヤ 20枚分)
● マサ粉(とうもろこし粉) | 200g |
● 塩 | 小さじ1/4 |
● ぬるま湯(40℃) | 220~240mL |
つくり方
1 混ぜる Amasar
ボウルにマサ粉と塩を入れて混ぜる。ぬるま湯を少しずつ加え、滑らかな耳たぶ程度のやわらかさになるまで混ぜる。ひとつ丸めてみた時にひび割れない程度が目安。乾燥している場合は少量ずつぬるま湯を適宜加えて調整する。反対にベタつく場合は、マサ粉を適宜足す。


2 休ませる Reposar
ラップを被せ、常温で10~15分休ませる。休ませることで粉が水分を吸収し、より扱いやすくなる。

3 生地を分ける Eividir en porciones
生地を20個に分ける。生地全体の重さを量り、20等分にした重さを計量して等分すると生地の大きさを均等にしやすい。

4 丸める Formar bolitas
手でコロコロと丸め、少し圧を加えながら表面が滑らかになるように整える。一度に生地を丸めてからのばす際は、乾かないように布を被せておく。

5 プレスする Aplanar
保存袋の端をハサミで切って2枚に分け、1枚をトルティーヤプレスにのせる。その上に丸めた生地をのせてもう1枚の保存袋をのせる。トルティーヤプレスで圧をかけて直径13cm程度の円形にのばす。


6 焼く Cocer en comal o sartén
フライパンを中火でよく加熱する。生地を保存袋から丁寧にはがし、フライパンにのせて触らずに30秒焼く。表面がうっすら乾いてきたらフライ返しで裏返して30秒焼く。もう一度裏返し、フライ返しで表面を軽く押すと、内部の蒸気で膨らむ。膨らまない場合は軽く数か所押して蒸気を均等に行き渡らせる。15秒ほど焼いたら取り出す。

7 保温する Mantener calientes
焼き上がったトルティーヤは乾かないよう布で包む。温かさとしっとり感を保つことで、食感がよくなる。

本記事は『手作りトルティーヤから極めるタコス』(グラフィック社)からの抜粋です
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メキシコ屋台の定番と家庭の味「タコス」現地のリアルな味を再現した初のレシピ集!
メキシコが産んだ世界中で愛されている、メキシコ料理のファーストフード的存在の“タコス”。そのおいしさの要はメキシコ人のご飯的存在でもあるトルティーヤ。「トルティーヤがなければ、ご飯にならない!」そう語るほど、メキシコ人にとってトルティーヤは大事な存在です。本書は本場のトルティーヤのつくり方から、その上にのせるおかず的存在の具材、さらにおいしさの振り幅をぐんと広げるサルサ(ソース)、グアル二シオネス(トッピング)なども紹介。あまり知らなかったメキシコの食文化、風土をレシピとともに楽しめる、今までになかった一冊です。

丸山久美(まるやま・くみ)
料理家。スペイン家庭料理教室「mi mesa」主宰。アメリカへ留学後、ツアーコンダクターとして世界各国を回る。1986年からスペイン・マドリードに14年在住。家庭料理をベースにしたスペイン料理を学び、中南米料理への造詣も深い。『バスクの修道女 日々の献立』『バスクの修道女 畑と庭の保存食』『家族や友だちと囲んで楽しむ。スペイン家庭料理 本場のパエリア 決定版』(すべてグラフィック社)など著書多数。
インスタグラム:@maruyama_kumi