ミニマリストという選択
この頃、アメリカのミニマリストたちのブログをよく読んでいましたが、彼らがミニマルライフのメリットとして、「お金が残る」と書いていました。
本当に必要なものや体験を買うことだけにお金を使い、そうでないものは買わないからです。
「確かに、そのとおりだ」と思いました。お金がない私には余分なものを買う余裕はなかったので、「ミニマルライフは私にぴったりだ」とうれしくなりました。
エコロジーに興味があったことも、暮らしをミニマルにした理由のひとつです。
娘が生まれてから、健康的な生活や子どもたちの未来のために、地球環境を守ることに興味を持ち始めました。
しかもエコな生活は、お金がかかりません。余計なものを買わないし、使い捨てをやめて、ひとつひとつをしっかり使いきるからです。
捨てる罪悪感を手放す
ブログの読者の方から、「ほとんど使っていないものを捨てるのには罪悪感がある」という相談をよくいただきます。
でも、それは捨てない言い訳にすぎないと思います。
使わずそこに放置すると、ものを活かすことはできませんから。
本当にものを大事にしたいなら、実際に自分で使うか、使ってくれる人の手に渡さなければなりません。
そのためには、家の外に出す必要があります。そのままずっとどこかにしまい込んでいても、いつか誰かがその品物を捨てるだけです。
つまり、本当にものを大切にするというのは、しまい込むことではありません。
自分で使えないなら必要としてくれる人に渡すことです。
そうすればあなたの手を離れた後もそのものは生かされ続けます。
捨てる罪悪感にとらわれず、外に出す勇気を持ちましょう。
本記事は『50歳からのミニマリスト宣言!』(筆子 著/扶桑社)からの抜粋です。
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貯金も収入もほぼゼロで
ミニマリストになった著者が見つけた
最小限のもので、最大限に暮らすコツ
ミニマリストと聞くと、ものを捨てることや何もない部屋をイメージする人が多いでしょう。ですが、ミニマリストはそのような部屋に住む人のことではありません。自分らしく生きたいときに邪魔になるもの、関係のないもの、負担を強いるものをすべて捨て去り、本当に大切なことに意識を向けて暮らすのがミニマリストです。私は、〝ミニマリスト=最小限のもので最大限に暮らすこと〞と定義しています。周囲に流されて、目の前のことに反応しながらあくせく生きるのではなく、「こんなふうに生きていきたい」という意図を持って、日々の生活を楽しむのです。
第1章 ミニマリストになってよかったこと5つ
第2章 ミニマルライフの基本 ものの減らし方・片づけ方
第3章 ミニマルな暮らしでお金の不安から解放される
第4章 体と心が健康になるためにやめたこと・始めたこと
第5章 ミニマルライフを続けて60代以降も楽しく暮らす
<文/筆子>
筆子(ふでこ)
カナダ在住の60代ミニマリスト。1959年、愛知県生まれ。かつてはものに囲まれた生活を送っていたが、あるときため込んだものの多さに疲れ、シンプルな暮らしを志すように。1996年にカナダへ渡り、以後25年以上暮らし続けている。50歳のとき、経済的不安を感じ、本格的にミニマリストになる。ブログ「筆子ジャーナル」では、持たない暮らしや海外のミニマリストに関する情報を発信。著書に『1週間で8割捨てる技術』(KADOKAWA)、『書いて、捨てる!』『買わない暮らし。』『本当に心地いい部屋』(いずれも大和出版)、『それって、必要?』(三笠書房)がある。
・ブログ 筆子ジャーナル https://minimalist-fudeko.com
・筆子のnote https://note.com/fudeko59