トルマリンはカラーバリエーションが豊富

いろいろな色のトルマリンでつくられたブレスレット(photoAC)
川添 トルマリンにはさまざまな色があって、無色の「アクロライト」、赤やピンクの「ルベライト」、赤紫色の「シベライト」、青色の「インディゴライト」、褐色または黄色の「ドラバイト」があるそうです。そして、今回我々が持ってきた黒いトルマリンは「ショール」と呼ばれているようです。
菅沼 ほかにもネオンブルーの「パライバトルマリン」や、ふたつの色が混在している「バイカラー」、3つの「パーティーカラー」などもあるそうです。

鮮やかな青が美しい「パライバトルマリン」。菅沼の憧れの石(photoAC)
川添 とくにピンクと緑のバイカラーは「ウォーターメロン」と呼ばれるそうですよ。
菅沼 ウォーターメロン、きれいですね。
川添 これは、完全に昭和の子供向け商品の配色ですよね。
菅沼 昔、リングが付いたこんな感じの飴がありましたよね。それにしても、トルマリンは色の種類が豊富ですね。
川添 昔は色が違うので、別の石だと思われていたようです。

赤と緑のスイカの色の組み合わせ。だから「ウォーターメロントルマリン」(photoAC)
菅沼 ちなみに、ブラックトルマリンは、「花崗岩ペグマタイト」の中から産出するそうですが、そもそも花崗岩ペグマタイトって何でしょう?
川添 花崗岩は溶岩が固まった岩石で、ペグマタイトはそのときにできる空洞のことです。僕が初期のころにこの連載で「ジオード」と間違えていたやつですね。トパーズの回で話したのも、正しくはペグマタイトでした。その空洞にガスやいろんな成分が溜まって結晶ができていくそうです。
菅沼 なるほど。
川添 ウォーターメロンも花崗岩ペグマタイトの中から出るって書いてありますね。あっ、ウォーターメロンは接着剤でくっつけた偽物が出回っているとも。
菅沼 えー! 接着剤で!
川添 くっつくらしいです。柱状に割れやすいので、接着品には注意が必要だと。ちなみに、トルマリンの色は産出場所や内包する物質によって変わるみたいですね。
菅沼 「組成するX、Y、Zの位置に別々の元素が置換されることで色が変化する」と書いてあります。
川添 スミマセン、まったく理解できません……。
菅沼 はい、私もまったく分かりませんが、鉱物中に含まれる微量の元素の種類や濃度によっても色が変わるそうです。
緑はクロム、バナジウム。赤やピンクはマンガン。青は鉄と銅。黒は鉄。ブラウンはマグネシウムと鉄。そして無色の場合は、含有元素が少ない純度の高いトルマリン。ちなみに無色透明は希少なようです。
<撮影/山川修一 参考文献/『楽しい鉱物学』『楽しい鉱物図鑑』(ともに、堀 秀道・著、草思社・刊)、『岩石・鉱物・化石 DVDつき(小学館の図鑑NEO 18)』(荻谷 宏、門馬綱一、大路樹生・監修、小学館・刊)>