ルーペで拡大してみると、次々に発見が!
川添 透明なトルマリンは見たことないですね。気がついてないだけかも。あれっ!? 菅沼さんのブラックトルマリン、ちょっと透明っぽい部分がありますが、これって、希少な透明トルマリンってことなのでは?
菅沼 私はこの部分は水晶かなと思っていたのですが、もしかしたら……。写真で拡大して見てみましょうか。カメラマンの星さん撮れますか?
星 やってみますね!……どうでしょう!?

菅沼のブラックトルマリンの断面に、「(」型の透明な部分が!

これは希少な透明なトルマリンなのか、水晶なのか…!?

透明の部分に虹色の屈折も見えます
川添 スゴイ! 写真で拡大して見ると完全に透明ですね! 表面の質感が周囲のブラックトルマリンと一緒のような気も?
菅沼 まさかの大当たりだったらうれしいです。
川添 大当たりだといいですね! ちなみに、僕のブラックトルマリンはガーネットがついています。あと、よく見ると銀色の謎の物質もついていますね。

川添のブラックトルマリン。菅沼のものと比べて荒々しい形状でトルマリン以外の鉱物も多く付着している

赤い塊はガーネットです
菅沼 銀色の部分は牡蠣の殻みたいな色をしていますね。
川添 「ヘマタイト」かなと思ったんですが……。
菅沼 調べてみると「雲母」か「パイライト」か「鉄雲母」。そのほかの可能性で「イルメナイト」か「ヘマタイト」と出てきますね。「イルメナイト」は鉄とチタンを含む黒や銀色の鉱物で、トルマリンと共存することがあるそうです。

右側の銀色っぽい、牡蠣の殻のような部分が謎の部分。よ~く見ると、銀色の物質に、茶の付着物がついてるようです
川添 結構これ、銀色ですよ。いま、チタンと聞いて思い出したのですが、買うときに「これ何ですか?」って聞いたら「チタン」っていわれたような気がしないでもないような? かなり昔なのであやふやな記憶ですが、チタンの原石の画像を見ると、確かに似ています。
このガーネットも、直径3mmぐらいと小さいですが、よく見るとちゃんと結晶構造が見えます。
菅沼 本当だ! ガーネットは偶然付いていたのですか?
川添 はい。トルマリンとして売られていて、ガーネットがおまけでついていた感じです。
菅沼 むしろガーネットが主役といってもいいような存在感ですね!

ガーネットをアップで。とても小さなガーネットですが、独特の層状の結晶構造がハッキリしているところが、川添的な萌えポイントです
<撮影/山川修一 参考文献/『楽しい鉱物学』『楽しい鉱物図鑑』(ともに、堀 秀道・著、草思社・刊)、『岩石・鉱物・化石 DVDつき(小学館の図鑑NEO 18)』(荻谷 宏、門馬綱一、大路樹生・監修、小学館・刊)>