原点に戻って、ひとつの鉱物をじっくり語ります

今回は偶然ふたりとも持っていた「ブラックトルマリン」のお話です
菅沼 「美しき鉱物の世界」も第7回目を迎えました。
川添 ……。
菅沼 よろしくお願いします!
川添 ……。
菅沼 どうしましたか? テンション低めですね。
川添 え~っと、ギリギリご好評をいただいておりますこの連載ですが、回を追うごとに記事が長くなっておりまして、スマホで読んでいただいている方には、しんどい長さになっているのではと思いまして……。
菅沼 前回もかなり内容を削りましたが、それでも過去最長を更新しましたね。笑
川添 そうでしたね。というわけで、今回は試験的に、紹介する鉱物を絞って、短く読みやすい記事を目指します!
菅沼 読者の方々の反響を伺いながら、決めていきましょう。
川添 というわけで、前回は化石に挑戦してみましたが、反響はよくも悪くもなかったような……。
菅沼 いえ、意外とよかったですよ!
川添 それはよかったです。あの後、家を片付けていたら、いろんな化石が出てきました。家から発掘された化石を、また持ってこようかと思います。が、今回は原点に戻って鉱物です。
叩くと電気が生じるトルマリン

どちらも真っ黒な「ブラックトルマリン」。左が川添、右が菅沼のもの
菅沼 今回は偶然、私も川添さんも持っていた「トルマリン」を紹介したいと思います。
川添 トルマリンは「電気石」とも呼ばれていますが……。
菅沼 叩くと電気が起きることから、その名前がついたそうです。どのくらいの強さで叩けばよいのですかね!?(電気石を叩く菅沼)
川添 なんとなくですが……、やさしく叩く程度ではダメなんじゃないでしょうか?
菅沼 確かにそうですよね。話は変わりますが、私は電磁波対策用にこの石を入手したのですが、いまAIで調べてみたらそのような事実はないようで、軽く衝撃を受けております。
川添 『楽しい鉱物図鑑』によると、トルマリンを叩くと生じる電気というのは静電気のようなんですが、それと電磁波がどう関係するのかよくわかりませんね。
菅沼 AIによると「ブラックトルマリンが電磁波を防ぐといのは、スピリチュアルな考えに基づいたもので、科学的な観点から証明するような研究や根拠はとくにありません」とのことでした……。
川添 20年ぐらい前、トルマリンを部屋に置くと心と体によいという感じで、トルマリンブームが起きましたよね。それもやっぱり怪しかったんですかね?
菅沼 私は電磁波対策としてパソコンのそばに置いていたのですが、気休めだったのかもしれませんね……。
川添 電磁波を防ぐとこと、静電気が発生することの関係はよくわかりませんが、『楽しい鉱物図鑑』によると、ブラックトルマリンを熱したり摩擦したりすると電気を帯びると書いています。つまり、叩き続けないと電気は起きないのでは?
菅沼 それはなかなか難しそうですね。

菅沼のブラックトルマリン。縦方向に筋が入っているのがトルマリンの特徴です


<撮影/山川修一 参考文献/『楽しい鉱物学』『楽しい鉱物図鑑』(ともに、堀 秀道・著、草思社・刊)、『岩石・鉱物・化石 DVDつき(小学館の図鑑NEO 18)』(荻谷 宏、門馬綱一、大路樹生・監修、小学館・刊)>