音を奏でる喜びに再会した
こんにちは、写真と文の七緒です。
少し朝晩が涼しくなってきましたね。食卓には栗やさんまなど秋の味覚が並ぶようになり、待ちに待った季節だとワクワクしています。
鎌倉暮らしでさまざまな変化があった中で、個人的な一番のトピックが音楽を再開したことです。

皆さんの中にも「子どもの頃、ピアノを習っていた」「吹奏楽部だった」という方も多いのではないでしょうか。
私もピアノ、マンドリン、コントラバス、指揮と20年弱音楽にふれてきましたが、社会人となり忙しさを言い訳にぱったり辞めてしまいました。
また落ち着いたら…と思っていた矢先、昨年秋、鎌倉の山の中にあるボサノヴァギター教室に出会い、のんびり通いはじめました。

先生は「譜面通りに弾くのもいいけど、感覚を大切に」と言います。感覚に重きを置くところがセルフケアと似てるなあといつも思います。
仕事の合間に庭で練習したり、童謡を弾きながら息子と歌ったり(子どもに人気の楽曲『エビカニクス』はとてもかんたん!)。音を奏でる喜びに出会い直しています。
意志が弱くても大丈夫
SNSとの心地よい付き合い方
今回は、SNS との付き合い方について。
私がセルフケアを重ねる理由は、自分らしく心地よく生きたいから。暮らしと地続きにあるSNSとの付き合い方も、ずっと模索してきました。
恥ずかしながらうっかりするとすぐSNS依存になってしまう性格です。時に誰かの投稿を見てうらやましさがわきあがったり、いいね!数が伴わないと落ち込むことも。
いいね!やフォローでドーパミンが放出されるようアプリ設計されていることは、有名な話。その結果、長時間見て頭が痛くなったり、誰かの投稿が気になるなど、負の影響を語られることが最近は多いですね。
でも心地よい距離感を見つけられれば、これほど人生を楽しくしてくれるツールはないと思うのです。私もInstagramがあったから今の仕事をしてると言えるほど、大切な場所。
今回は試行錯誤の末に見つけた、SNSと心地よく付き合える3つのルールをご紹介。メインで使っているInstagramについて書いていきますね。

①スクリーンタイムを1ヶ月単位で分析
今年の春、Instagramとの健やかな関係性を見つめようと、スクリーンタイムを分析したことがありました。
当時のスクリーンタイムは……、なんと1日平均6時間。たまげました(笑)
1日6時間画面を見ている=1ヶ月(30日)に換算すると180時間。180時間を1日単位(24時間)で割ると、約7日。
私は1ヶ月の内、1週間もスマホを見ており、3週間しかリアルな世界を生きていないという事実が浮かび上がりまして。スクリーンタイム=Instagramでないにせよ、付き合い方を見つめ直す大きなモチベーションになりました。
皆さんもスクリーンタイムをそっとのぞいてみてください。そしてこの計算式にあてはめると、驚く結果が見えてくるかも…!
見方はかんたん。iPhoneの場合は「設定」→「スクリーンタイム」ですぐに確認することができます。
②休日はInstagramアプリごと削除
休日はアプリごと削除しています。お休みの日も、タイムラインが気になることはないでしょうか。育児の合間にInstagramをのぞいて、目の前の子どもの話は気もそぞろ、なんてことも(私の実話です……)。
ある時思い切ってアプリを削除したら、頭も心もすっきり。アプリを再ダウンロードしてまで投稿したいこと・見たいことはありませんでした。
Instagramのない休日は“今ここ”を慈しめるようになり、とっても心地良いです。元気がない時、誰かの充実した投稿を目にして落ち込むことも減り、心も安定。いいことづくし。
アプリを削除してもデータは残っています。なので安心して、休日デジタルデトックス!

北鎌倉の喫茶店で静かなひととき
③ストーリーズは全てミュートに
フォローしている方のストーリーズを全てミュートにしています。
ストーリーズってつい漫然と眺めてしまいます。でもそれは本当に心から見たいものでしょうか。私たちの人生は有限、せっかくなら心から見たいものを自発的にまなざしたい。だって瞬間の積み重ねが人生だから。
ストーリーズを全ミュートにすることで、だらだらスワイプする時間は減り、静かな時間が戻ってきました。
ちなみに見たい人のストーリーズはアカウントを訪れ、自発的に拝見しています。
心地よい距離を見つめ直し、環境を整えること

SNSは受け身で流されると、気づかぬうちに時間も心身も消耗してしまいます。人の目を気にして、時に自己肯定感すらも下がっていく。
大切なのは、心地よい距離(頻度、時間など)にチューニングすること。加えて私たちの意志はアプリの前では薄弱なので、渦に飲み込まれない環境を整えること。
そうして生まれた静かな時間を、ギターを弾いたり、ジャーナリングしたり、海辺を散歩したりと、心から好きなものにあてています。今は、いいね!数や人の投稿もそれほど気になりません。軸が自分に戻ってきた感覚です。

先日、天然生活で長く連載をされている広瀬裕子さんをインタビューする機会に恵まれました。その時いただいた言葉が今も心に残っています。
「人から見て幸せそうな人ではなく“幸せである”ことを大事にしたい」
本当にそうだよなあ、と心に沁みました。
SNSとの心地よい付き合い方を探る一つのヒントになったらうれしいです。
【写真詩集『prism』出版のお知らせ】
10月に写真詩集『prism』を出版します。暮らしや愛、心地よく生きる三原則のこと。眠れない夜にそっと開く、お守りのような一冊になりました。ただいまご予約受付中。詳細はこちらから。
〈撮影/星 亘(2、4枚目:七緒) 文/七緒〉

七緒(なお)
写真と文。「毎日も人生も、心地よく」というテーマで、鎌倉山の麓に暮らしながら、心とからだが楽になるセルフケアの知恵を届けている。Voicy「心地よくきく、セルフケアジャーニー」も好評。著書3冊、1児の母で、植物療法士としても学びを深めている。
インスタグラム:@naotadachi
ラジオ(Voicy):心地よくきく、セルフケアジャーニー
note:https://note.com/naotadachi