• 大人世代が抱える「こころとからだ」のお悩みや疑問について、頭痛・漢方専門「らいむらクリニック」の來村昌紀先生が、やさしく回答。今回は、「疲れの深さ」で動けないという、有希さんのお悩みにアドバイスをお送りします。

    :夜の"疲れの深さ"がひどいです。疲れを軽減する方法を教えてください

    画像1: 「疲れすぎて動けない」50代、毎日クタクタな“更年期世代”が気をつけたい暮らしの対策とおすすめの漢方|こころとからだのお悩み相談室/らいむらクリニック・來村昌紀先生

    「疲れやすい」というレベルではないほど深刻です……

    ここ数年の“疲れの深さ”がひどいです。日中はまだ元気に活動できるのですが、とくに夜になると疲れがピークに達し、帰宅後にソファに横になると動けなくなることもしばしばです。

    子どもがいるので、夕食の準備のためになんとか起き上がりますが、これがひとりなら朝まで寝てしまいそうです.…。片づけも洗濯も後回しにすることが増えました。

    年齢的に更年期の影響かな?と思いますが、同年代の友人に聞いてみると、更年期障害の有無にかかわらず「疲れが深い」と感じる人が多い様子です。この疲れの原因は一体何なのでしょうか? ずっとこの状態が続くのかと心配です。

    (有希 さん、50代/自営業)

    :検査も視野に入れつつ、日常生活の見直しを心がけましょう

    画像2: 「疲れすぎて動けない」50代、毎日クタクタな“更年期世代”が気をつけたい暮らしの対策とおすすめの漢方|こころとからだのお悩み相談室/らいむらクリニック・來村昌紀先生

    病気の可能性も考えられるので検診はきちんと

    疲れの原因を考えてみましょう

    今回は夜になると疲れがピークに達し、家事にも支障が出ているという有希さんからのご相談です。

    ハードスケジュールが重なり、働きすぎると疲れが出るというのは誰しも経験があると思いますが、それが普段の生活でも毎日のように疲れが出て、日常生活に支障が出てくるとなると問題です。

    有希さんの場合、日中は元気に活動できるけれど夜になると疲れがピークに達し、動けなくなることもあるようですね。

    疲れにはさまざまな原因が考えられますが、貧血や元気を出すホルモンを出している副腎甲状腺の病気などの可能性も考えられます。まずは一度、内科などを受診されておくと安心です。

    また年齢的に更年期が始まる年代でもありますが、もしも貧血があった場合には子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因の場合もありますので、そういう意味でも一度婦人科で検診を受けておくことをおすすめします。

    疲れにくい体づくりのために必要なこと

    疲れにくくするための対策としては、まずは以下のような日常生活の見直しを試してみましょう

    ・バランスの取れた食事

    炭水化物や甘いものを控え、タンパク質をしっかりとる習慣をつけましょう。

    ・適度な運動

    無理のない範囲でウォーキングや軽い体操を取り入れると効果的です。

    ・十分な睡眠をとる

    寝る前のスマートフォンなどの使用を控え、寝室を快適な環境に整えるなど工夫をしてください。

    ・ストレスを溜めない

    音楽を聞く、ゆっくりお風呂につかるなど、気持ちをリラックスさせる時間をつくることも大切です。

    一見、当たり前のことですが、まずはこれらを心がけてみてください。

    「深い疲れ」を軽減するためにおすすめの漢方薬

    それでも疲れが改善しない場合には、漢方薬を活用してみるのも手です。

    胃腸の働きを助けて元気を補う補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や、元気をつけて栄養状態もよくする十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、老化現象で元気が出ない場合には八味地黄丸(はちみじおうがん)、更年期には血流を改善し精神的にも安定させる加味逍遙散(かみしょうようさん)、血流をよくしてのぼせをとるような桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方薬もおすすめです。

    最後に、更年期による影響はずっと続くものではありません。一度は病院を受診され疲れの原因を精査し、適切な対処をすれば元気になってきますよ。

    今回の記事が有希さんはじめ、疲れにお悩みの皆様の少しでもお役に立てれば幸いです。

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    〈イラスト/コグレチエコ〉

    画像: 「深い疲れ」を軽減するためにおすすめの漢方薬

    來村昌紀(らいむら・まさき)

    頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
    YouTube:らいむらクリニック チャンネル
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