• 手づくり絵本のいいところは、好きに、自由につくれること。日々の小さな出来事から紡がれた、町田家の絵本の一部を紹介します。今回は「でんしゃよ はしれ」。妹が生まれてさびしい思いをしていた息子のために母が描いた電車の物語です。
    (『天然生活』2024年9月号掲載)

    家族の大切な思い出を切り取った「手づくり絵本」

    ささやかな日常のひとこまから物語の種を見つけては、絵本を手づくりしてきた町田さん家族。母・万里子さんが中心となり、1970年代より現在まで約90冊の絵本を生み出しています。

    本記事では、万里子さんが、息子の穂高さんのために描いた絵本「でんしゃよ はしれ」の一部をご紹介します。

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    ▼町田さん家族のお話はこちら

    いつもの遊びがファンタジーに
    『でんしゃよ はしれ』

    画像: 作/町田穂高 絵/町田はる香

    作/町田穂高 絵/町田はる香

    妹のはる香さんが生まれてさびしい思いをさせていたので、思い切り穂高さんの「好き」に合わせて絵本をつくることに。いつも遊んでいた幼なじみの分と2冊、それぞれ電車の色のリクエストを聞いたり、顔写真を変えたりして、完全カスタマイズした。

    画像: いつもの遊びがファンタジーに 『でんしゃよ はしれ』

    まちをぬけると、だんだん みどりの きやはたけが おおきくなってきました。

    そして かわに さしかかりました。

    ごごーん、ごごーん。

    てっきょうを わたります。

    「わあ、たかいなあ。」「こわいよー。おっこっちゃうよう。」

    したをみると、かわらでは こどもたちが あそんでいます。

    「おーい。」「おーい。」と、こどもたちは、ほたかのでんしゃ に てをふりました。

    穂高さんと幼なじみが、家の中で見つけた大きな段ボールに入るところから物語はスタート。それはたちまち好きな色の急行電車になって走り出した。「完成したとき、息子も友だちも床を転げるように大笑いして、その後、何度も繰り返し読まされました」と万里子さん。

    Copyright © MARIKO MACHIDA ※本記事の無断転載、使用を禁じます


    〈撮影/星 亘 構成・文/石川理恵〉

    まちだファミリー 
    母・万里子さんは元小学校教師。長男の穂高さん、長女のはる香さんの育児中は専業主婦になり、手づくり絵本を通じて地域活動に励んだのち、教師に仕事復帰。現在は病気療養中。父・弘さんは元高校教師(化学)。2016年より「ヒロシとマリコの手づくり絵本展」を開催し、縁のある場所を巡回。インスタグラム: @mahiro_publishing

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    万里子さんと弘さんの手づくり絵本展が開催!
    会場では手づくり絵本を手に取ってご覧いただけます。
    家族の思い出がつまった、世界に1冊の絵本の魅力をお楽しみください。

    「ヒロシとマリコの手づくり絵本展 in Toshima city at 豊島区立熊谷守一美術館」

    ● 開催日時:2025年10月28日(火)〜11月2日(日)
    10時30分〜17時30分(最終入場17時まで)
    ※最終日は16時閉場

    ● 観覧料:無料(常設展示は有料)

    ● 会場:豊島区立熊谷守一美術館3階ギャラリー
    https://kumagai-morikazu.jp/

    詳しくはこちらから
    https://kumagai-morikazu.jp/exhibition/rJfQ56fk

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    ▼まちだファミリーの絵本を公開中!



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