道の駅数2位の岐阜県をはじめ“推し駅”探しが楽しい、中部エリアの道の駅
キャンピングカーで全国の道の駅を巡り、1,230駅中1,200駅を制覇した道の駅のプロ・浅井佑一さん。
本業はライターで、すべての道の駅と、さらにおすすめの道の駅をじっくり紹介したムック『道の駅コンプリートガイド2026』を執筆したばかり。
そんな浅井さんに、北アルプスの絶景や海の幸、山の幸がそろう中部エリアで、観光も楽しめて、地元の新鮮な食材が手に入る道の駅を教えてもらいました。
「中部エリアには、北海道に次いで道の駅の数が多い岐阜県をはじめ、個性豊かな駅が集まっています。
山の幸や海の幸、郷土料理など、地域ごとに“おいしい出合い”があるのが魅力です。
ドライブをしながらお気に入りの“推し駅”を探すのも楽しいですよ」と浅井さん。
早速、中部地方のおすすめ道の駅をご紹介します。
砂浜ドライブと能登のごちそうを一度に楽しめる道の駅「のと千里浜」(石川県羽咋市)
浅井さんがまずオススメしてくれたのが、石川県羽咋市の道の駅「のと千里浜」
「直売所『かわんちまーと』では農薬、肥料、除草剤を使わずに栽培した自然栽培農産物が揃います。
とくに自然栽培の羽咋米がおすすめです。
レストランでは能登産のイノシシ肉を使ったメニューもあります」

直売所では、農薬、肥料、除草剤を使わずに栽培した自然栽培農作物などを豊富に揃えている
道の駅の目の前にあるのは、日本で唯一クルマで走ることができる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」です。
石川県羽咋市から宝達志水町まで全長約8kmの海岸沿いを通る特別な道路です。

海水を含んでかたく締まった砂浜は観光バスでも走行できる。ただし、乾燥したところはタイヤが埋もれる可能性があるので注意
一般的な砂浜は砂が軟らかくてタイヤが沈んでしまいますが、千里浜の砂は粒子が細かく、海水を含むことでかたく締まる性質をもっているため、オフロード車でなくても走行可能です。
観光バスもバイクも自転車でも走行できます。
とくに晴れた日などは、波打ち際を走る爽快感がたまりません。また、海に沈む夕日もおすすめです。他車の通行を妨げない場所に停車すれば、海をバックに記念撮影もできます。
ドライブウェイへの出入り口はいくつかありますが、道の駅「のと千里浜」のすぐ目の前にある「千里浜北口」が分かりやすく、アクセスも便利です。
砂浜ドライブを楽しんだあとは、道の駅へ行き、まずはRVシャワーで愛車の汚れを落としましょう。

駅内の駐車場にクルマ専用のシャワーがあり、無料で利用できる。クルマに付着した砂や海水を、約1分間洗い流せる
これは、砂や塩分で汚れたクルマの足回りを無料でしっかり洗い流せる設備で、クルマをセットしてボタンを押すと、約1分間にわたってクルマの下回りに勢いよく水がかかり、洗い流してくれるのでありがたいです。
道の駅の直売所でぜひ食べてもらいたいのが、地元・羽咋市が誇る「羽咋米」です。
羽咋市はもともと米作りが盛んな地域ですが、このコシヒカリは農薬も肥料も除草剤も使わない自然栽培で育てられたものです。粒が小ぶりでかためですが、雑味のない味わいが特徴です。
日本酒造りにも適しているといいます。
この羽咋米を使った商品がいろいろと販売されており、大人気の「羽咋米せんべい」をはじめ、米粉のロールケーキなどもおすすめです。
なかでもイチオシは「塩むすび」。店内の羽釜で炊いたお米を、能登の天然塩で握ったもので、米のうまみがダイレクトに味わえます。
道の駅にはレストラン、カフェ、ジェラート店が併設されており、能登産のイノシシ肉を使ったメニューや地元野菜、果物を使ったスイーツなど、地元食が濃く、旅の記憶に残る味が多いです。

奥能登の生乳と能登の食材を使ったジェラート店「マルガージェラート」は人気店
能登半島は2011年に「能登の里山里海」として日本で初めて世界農業遺産に登録され、羽咋市もその範囲に含まれています。
道の駅は単なる休憩場所ではなく、地域の自然、農業、食文化が凝縮されたスポットになっています。
駐車場には4台分のRVパークが併設されています。能登観光の拠点として利用するのに便利な場所なので、ここで車中泊しながら能登観光を楽しむのもいいでしょう。

併設するRVパークは駐車場の海側寄り。4m×6m以内の車両サイズに対応している
申し込み、チェックインは道の駅のレジカウンターで受け付けています。
DATA/道の駅「のと千里浜」

住所/石川県羽咋市千里浜町タ1-62
設備/軽食・レストラン=〇 産直市場=〇 温泉(入浴施設)=× 足湯=〇 宿泊施設=× キャンプ場=× RVパーク=〇 ドッグラン=× 観光案内所=〇
<撮影/浅井佑一 取材・文/浅井佑一、天然生活web編集部>

浅井佑一(あさい・ゆういち)
キャンピングカー専門誌『オートキャンパー』編集部を経て独立。現在は旅とキャンピングカーをテーマに活動するフリーライター。2014年3月よりキャンピングカーでの車中泊旅をスタートし、2年3カ月かけて全国の道の駅1,059カ所を制覇。その後も新設された道の駅を継続的に訪れ、現在は2度目の道の駅制覇の旅の途中。道の駅、車中泊、キャンピングカー旅の第一人者として、雑誌・書籍・メディア出演など幅広く活躍中。最新の著書『道の駅コンプリートガイド2026』(扶桑社)が発売されたばかり。
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道の駅の第一人者の浅井佑一が、全道の駅1229駅を紹介するガイドブックです。「いま行くべき魅力あふれる10の道の駅」、北海道・東北・関東甲信越・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄の8地方ごとのおすすめの10駅+αをピックアップして紹介。「道の駅のコンシェルジュ」的な使い方ができる新しい切り口のガイドブックです。










