幅広く楽しめて、海外旅行気分も味わえる!
菅沼 ところで、川添さんは今回の「東京国際ミネラル秋のフェア」はどんな印象でしたか?
川添 どのイベントでもそうなんですけど、出展者を大きく分けると、「標本系・宝石系・パワーストーン系」の3種がある印象で、幅広い人に楽しめるのがいいな~と思います。海外からの出展者も多く、海外旅行で蚤の市に来ている感覚も味わえて楽しいな~と思いました。
菅沼 そのタイプ分け、めっちゃ分かります。
川添 今回初めて知ったのですが、業者さんではなくコレクターさんが出展しているということもわかりまして、びっくりしました。
菅沼 いましたね! フランスから参加されていたコレクターの方が印象的でした。

フランスから来たというこコレクターの方は、日本語も交えながらお話してくれました。自慢のコレクションを持って、世界中のミネラルショーに出展しているとのことでした
川添 「標本系」のブースにもいろいろなスタイルがあって、標本ケースが入った箱を積み上げている「お宝探し系」から、アクリルの台座にきれいにディスプレイしている「きれい系」とか、鉱物をテーブルに直に並べている「ワイルド系」とかいろいろありまして。
フランスのコレクターさんは、グレーの統一されたケースに鉱物を入れて統一感を出しているところなんか、本当に鉱物が好きなんだな~というのが伝わってきて、本当によかったです。
菅沼 川添さんが好きな結晶系の石もたくさんありましたね。

グレーの標本ケースでコーディネートされた、標本系の見本のようなブースでした
買うか買わないか、それが問題です
川添 「パエジナストーン」は、このフランスのコレクターさんのお店にありました。ちょっと予算を超えていたので買わなかったんですけど、後で調べたら相場よりかなり安かったので、買えばよかったと後悔しています……。

いつか手に入れたいバエジナストーン。最近はあまりとれなくなっているそうです。買えばよかったかも……
菅沼 私も、今回は「衝動買いしないように!」と慎重になりすぎて、何も買えなかったのを後悔しています……。
川添 相場感が分かりませんから、なかなか難しいですよねー。一期一会と考えると、散財しちゃいそうですし。私は今回、糸魚川の小さな翡翠が6種入った標本セットを買いました。これも近くご紹介しますのでお楽しみに!
菅沼 翡翠専門店で買ったものですね! ここではきれいな淡いマーブル模様の端切れがあって、買っておけばよかったなーと心残りです。また次回に期待です!

川添が翡翠の標本セットを購入したお店の勾玉。青い翡翠は最近少なくなってきており希少なのだそう。翡翠の端材が安く売っていました
川添 ミネラルフェアではそういうことありますよねー。実は私も最初、サーッと会場を回った際に、「後で買おう!」と決めていた鉱物があったのですが、その後取材をしているうちに記憶から飛んでしまって、帰宅後、写真の整理をしていたときに「あっ!これ買おうと思っていたやつだ!」と思い出したんですよ。
菅沼 それで、また後日行ったんですね。
川添 そうなんです。こちらの鉱物も近くご紹介したいと思います!
菅沼 今回知り合った、老舗の鉱物店の方に教えていただいたのですが、最近はフローライトとトルマリンが人気のようで。
川添 知らなかったですよねー。今後は、そういうトレンド情報もご紹介できるようにアンテナを張っておきたいです。

フローライト。紫から青へのグラデーションが美しく、目を引かれました

トルマリン。結晶が屈折してくっついているのが面白いです。光に当てて見せてくれました
菅沼 と、今回もなかなかの長い記事になってきましたが、最後に、お話を伺ったブースで撮影させていただいた鉱物の写真をお楽しみください。

母岩付きのエメラルド。美しいです…!

面白い形をしたアクアマリン。植物のようで、不思議でかわいい

黒いトルマリン「ショール」。これはなんと大分県産。小さな結晶が集まった姿が面白く眺めていたら、お店の人が持ち上げて見せてくれたのですが、破片がパラパラと落ちて、ちょっとドキドキしました

鮮やかな緑が美しい「疑孔雀石」。「孔雀石」と似ているからこう名付けられたそう

ヒマラヤ水晶。標高数千メートルの山から、人力で背負って運んでくるのだとか

不思議な輝きを持つ「レピドライト」。これとは別に層状の形もあり、川添は層状派、菅沼はモコモコ派に分かれました
川添 今回は、ドイツ、フランス、ブラジル、セルビア、ネパール、モロッコ、日本からの出展者の皆さんからお話を伺い、写真を撮影させていただきました。
菅沼 みなさんとても詳しく熱心にお話してくださったのが印象的でした。短時間で駆け巡ったので、次回はもっとゆっくりお話を伺えたらいいですね。
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「東京国際ミネラルフェア」の情報は下記サイトから
東京国際ミネラル協会
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▼「美しき鉱物の世界」記事一覧
<撮影/川添大輔 参考文献/『楽しい鉱物学』『楽しい鉱物図鑑』(ともに、堀 秀道・著、草思社・刊)、『岩石・鉱物・化石 DVDつき(小学館の図鑑NEO 18)』(荻谷 宏、門馬綱一、大路樹生・監修、小学館・刊)>










