(『天然生活』2024年12月掲載)
旬を丸ごといただく、冬のお菓子
「旬の果物や野菜などが出まわると、うれしくてつい買ってしまいます」と、お菓子研究家の本間節子さん。
旬の食材には、採りたてならではの新鮮なおいしさがギュッと詰まっています。香りもよく、うま味がダイレクトに感じられ、ほかの季節には味わえない別格のおいしさ。
しかも栄養も豊富といいことずくめです。そんな旬の食材をふんだんに使ったお菓子を教えてもらいました。食材本来の味わいを生かすコツは、丸ごと使うこと。
しょうがやりんごは皮ごと、ゆずは皮も果汁も、きのこは炒めたときに出る水分も使う......。
そんな、食材をむだなく余すところなく使える始末のよさも、手づくりならではの魅力です。
お菓子づくりの魅力はもうひとつ。大切な人を思いながら手を動かすのは、贅沢でやさしい時間です。「お菓子があるとだれかと一緒に楽しみたくなりますよね」と本間さん。
クリスマスやお正月など行事が続くこれからの季節。
大切な人たちのために心を込めてつくったお菓子を囲み、素敵な時間を過ごしてみませんか。
「栗のババロア」のつくり方

皮ごとゆでた栗を口どけのよいババロアに。
甘さひかえめで栗本来の濃厚な味と香りが楽しめます。
材料(容量90mLのゼリー型6個分)
| ● 栗(皮つき) | 約250g |
| ● 砂糖(*) | 20g+30g |
| ● 牛乳 | 120mL+50mL |
| ● 卵黄 | 1個分 |
| ● 生クリーム | 100mL |
| ● 粉ゼラチン | 5g |
*砂糖は好みのものを。今回は「きび砂糖」を使用。
下準備
● 水大さじ1に粉ゼラチンをふり入れてふやかす。
つくり方
1 生クリームは八分立てに泡立てて冷やしておく。
2 鍋に栗とたっぷりの水を入れ、中火で1時間ほどゆでてざるにあげる。半分に切り、スプーンで中身をすくい出す。120gを計量してざるでこす(またはフォークなどでしっかりつぶす)。
3 残った栗は渋皮などを取り除いて計量し、重量の10%の砂糖(分量外)を加えて混ぜる(飾り用)。
4 2の栗、砂糖20gをボウルに入れて混ぜ、牛乳120mLを加えてさらに混ぜる。
5 小鍋に牛乳50mL、卵黄、砂糖30gを入れて泡立て器で混ぜる。ゴムべらで混ぜながら弱火で温め、湯気が出てとろみがついたら火を止める(写真参照)。ふやかしたゼラチンを加え、よく混ぜて溶かす。

鍋底に筋が残るくらいにとろみがついたら火からおろし、ゼラチンを加える
6 5を4に加えて混ぜる。ボウルの底を氷水に当てて冷やし、とろみがついたら、1を加えて均一に混ぜる。ゼリー型に流し入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やし固める。
7 6の型をぬるま湯につけて型からはずし、皿に盛る。3を添える。
<料理/本間節子 撮影/山川修一 取材・文/平山祐子 スタイリング/阿部まゆこ>
本間節子(ほんま・せつこ)
お菓子研究家。日本茶インストラクター。お菓子教室「atelier h」主宰。雑誌や書籍でのレシピ提供、イベントや講習会など幅広く活躍。著書に『まいにち、感動クッキー』(扶桑社)など。https://atelierh.jp/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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