料理研究家の門倉多仁亜さんに、新年を気持ちよくスタートするために実践する、年始のお楽しみと習慣を教えていただきました。お正月だからと完璧に整えようとするのではなく「できることをできるときにすればいい」と話す門倉さん。お雑煮から水回りの掃除まで、清々しい1月を過ごすためのヒントをお届けします。
新年を“気持ちよく”始めるための、家と心を整える3つのヒント
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
年始のお楽しみ:1月1日
“鹿屋(かのや)式”のお雑煮を頂く

実家では割と自由につくっていたお雑煮、鹿屋では味や具材が決まっている
鹿児島・鹿屋に移り住んだ門倉さん。おせち料理は隣家に暮らす義理の姉と分担してつくります。
「わが家にはお重がないので、お皿に盛りつけるスタイル。手に入った食材や食べる人の好みなどで、おせちの内容も変わっていきますよね。お雑煮は、年末についたお餅でつくります。だしはかつおと昆布。具材にゆで卵と豆もやしが入っているのが嫁ぎ先の味です」
年始のお楽しみ:1月7日
台所にお札を貼る

火災防止の荒神様のお札も頂く

とうがらしがわらに編み込んである「おくどさん守り」は台所に
年始の恒例行事で、東京の愛宕神社へお参りに。高所にある神社は、東京を見渡せることから、江戸を火事から守る防火の神様が祀られています。台所を守ってほしいという願いを込め、門倉さんは毎年こちらでお札を頂いています。
86段もある石段を上っていると無心になり、最後は心地よい達成感を味わえるそう。
年始のお楽しみ:1月10日
水まわりの掃除をし、仕事始めの準備

オープンのキッチンはいつも見えている分、掃除もていねいに
「家を気持ちよく整えておくコツは、水まわりをきれいにしておくことだと思う」と、シンクや洗面所の毎日の掃除を欠かさない門倉さん。年末年始はとくに念入りに磨き上げます。

水垢に効果あり。クエン酸スプレー
「歯みがきだって面倒くさいけどみんなやりますよね? それと一緒。習慣にしてしまえばいいんです。シンクはお皿洗いの延長で洗えばすぐですよ」

水を流したら台ふきんでふいて、水けを残さないように

クエン酸のスプレーをかけたら、お皿洗い用のスポンジで磨く

ふきんは煮沸してから、干すところまでが台所仕事
〈撮影/近藤沙菜 取材・文/鈴木麻子〉
門倉多仁亜(かどくら・たにあ)
料理研究家。料理とともにドイツの生活文化についても発信。『ゆとりを楽しむこれからの暮らし方』(扶桑社)など著書多数。2021年に東京から鹿児島・鹿屋へ移住。オンラインでの料理教室も開催している。
webサイト:https://www.tania.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




