• 美しき鉱物の魅力を語りたい……。天然生活編集部の鉱物好きなふたりが、自慢の鉱物コレクションを持ち寄りました。今回は、青色が美しい「ラピスラズリ」と、さまざまな色が入った「糸魚川の翡翠6種類セット」。それぞれ、ツタンカーメンのマスクに使われたり、勾玉の材料になったりと、古代から重宝されてきた石です。つたない知識と想像をあれこれめぐらせて、文化的な側面からも考察してみました!

    中国では古代から珍重されてきた翡翠

    菅沼 ところで、「青翡翠」に書いてある「小滝入りコン沢」って何ですか?

    画像: 「小滝入りコン沢」ではなく「小滝入コン沢」が正しいようです

    「小滝入りコン沢」ではなく「小滝入コン沢」が正しいようです

    川添 「小滝入コン沢」って場所で採れたという意味なんじゃないかな?

    菅沼 「こたきいりこんさわ」と読むのでしょうか。川添さんのいう通り、採れた場所のようですね。

    川添 翡翠の採取というと、先日NHKの『ドキュメント72時間』という番組を見まして、糸魚川の海岸で翡翠を拾う人たちが特集されていました。

    菅沼 海岸に流れ着くということは、翡翠は海からやってくるんですか?

    川添 もともとは川の上流、小滝川で採れるようなんですが、これが、川を伝って海に流されてから、海岸に打ち上げられるみたいですよ。

    画像: 新潟県糸魚川市にあるヒスイ海岸の景色。浜辺の小石の中に稀に翡翠が混じっているそう(出典:Wikipedia)

    新潟県糸魚川市にあるヒスイ海岸の景色。浜辺の小石の中に稀に翡翠が混じっているそう(出典:Wikipedia)

    菅沼 翡翠って勝手に採っていいんですか?

    川添 産地の川では採っちゃダメと、番組でいってたかも……。

    菅沼 調べてみたところ、天然記念物なので、やはり勝手に採ってはいけないようです。ただ、海岸は産地ではないからOKということなんですかね。

    川添 そういうことなんですね。いつか翡翠拾いをしてみたいものです。

    「玉」と呼ばれ、数々の工芸品の材料に

    川添 翡翠といえば、日本では勾玉のイメージがありますが、中国ではもっと珍重されているイメージですよね。

    菅沼 そういえば、台湾の国立故宮博物院に、白菜の形をした翡翠がありますよね。

    川添 あるある! 昔家族旅行で見に行きました。

    菅沼 いいなー! 白菜の緑と白の部分、全部が翡翠というのがすごいですよね。

    川添 実物は思ったより小さかったですよ。いま、こうして翡翠のことを調べるまでは価値が分かっていなかったので、感動が薄かったのかもしれません。無知って怖いです。

    画像: これが白菜の翡翠『翠玉白菜』。国立故宮博物院の三大至宝と呼ばれる名品でして、「感動が薄い」とかいってしまってお恥ずかしいです(出典:Wikipedia)

    これが白菜の翡翠『翠玉白菜』。国立故宮博物院の三大至宝と呼ばれる名品でして、「感動が薄い」とかいってしまってお恥ずかしいです(出典:Wikipedia)

    実は、日本と中国の翡翠は別物でした!

    菅沼 ちなみに、中国の翡翠と日本の翡翠は、鉱物学的にまったく違う種類の石のようですよ。日本では主に「硬玉(ヒスイ輝石)」のことを指し、中国では「軟玉(ネフライト)」のようです。

    川添 別物なんですか!?

    菅沼 翡翠は緑の印象がありますが、中国では白い方が価値が高いみたいですね。

    川添 そういえば、こないだテレビで、中国のウイグル自治区の河原で翡翠がたくさん落ちているところがあって、中国の沿岸部の人たちが大挙して買いに来るというドキュメンタリー番組を見ました。

    菅沼 「和田玉(ホータンギョク)」というみたいですね。中でも混じり気のない、真っ白な「羊脂玉(ようしぎょく)」が最も高級とされているみたいですよ。羊の脂のように白いから、その名前がついたそうです。

    川添 そうなんですかー。番組では、翡翠で大儲けした人の豪邸が紹介されたりもしていて、景気がよさそうでした。日本でも古代に盛んにつくられていた勾玉ですが、昭和になってから、糸魚川周辺で産出することが再発見されるまでは、輸入翡翠でつくられていたと考えられていたそうですよ。

    菅沼 翡翠は日本では取れないと考えられていたのですね。

    川添 らしいです。それを題材にした松本清張の小説があって、当然、殺人事件が起こるのですけど。

    菅沼 翡翠を巡る殺人事件!

    画像: 中国では、白が希少価値が高いとされているようです。ただ、この「白翡翠」と「羊脂玉」は、種類が違う気がします

    中国では、白が希少価値が高いとされているようです。ただ、この「白翡翠」と「羊脂玉」は、種類が違う気がします

    <撮影/山川修一 参考文献/『楽しい鉱物学』『楽しい鉱物図鑑』(ともに、堀 秀道・著、草思社・刊)、『岩石・鉱物・化石 DVDつき(小学館の図鑑NEO 18)』(荻谷 宏、門馬綱一、大路樹生・監修、小学館・刊)>



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