• 手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさんに、自分でできる住まいの工夫として、「台所道具を快適に整えてくれるもの」を教えてもらいました。白雪ふきんや、植物でつくられた水切りかご、へちまたわしなど、暮らしになじみ、環境にもやさしいアイテムを3つご紹介します。

    吊るして快適! 水切りかごは「わらび」製

    続いては、細長い町家で暮らし始めてから相棒となった、便利な台所アイテムです。

    18年前、一般的な住宅から町家に越してきて困ったのが「台所の狭さ」。スペース的にはざっと2畳ほどでしょうか。「通り庭」と呼ばれる、玄関から奥の庭へと続く通路の途中に配されているため、奥行きはあるものの幅は両手を広げられないほど狭いのです。

    大きなラックや食器棚などは置くことができないため、普段使いのグラスやお茶碗、カトラリーなどは、シンクと冷蔵庫の隙間にスリムなオープンラックを設置して、かごの中にまとめて収納。

    こうすると子どもたちも取り出しやすく、来客時などはかごごと持ち出してテーブルに並べることもできるため便利なのです。そして、ここに収まらない大皿や取り皿などは、台所の隣の部屋に置いた水屋にしまうようにしています。

    シンクや作業スペースも最低限しかないので、水切りかごも、町家に越す前に使っていたステンレスのラックはサイズが合わなかったうえ、ラックの底がすぐに汚れるのがストレスになり、思い切って使うのをやめてしまいました。しばらくはワークトップに敷いたふきんに伏せて、しのいでいましたっけ。

    いいものないかな……と目を光らせていたある日、とある民芸雑貨店に置いてあったかごが目に留まりました。それは沖縄の90歳を超えたおばあちゃんが、昔ながらの方法でつくっているという「わらびかご」でした。

    画像: 洗った食器は水がついていても気兼ねなく、わらびのかごのなかへ

    洗った食器は水がついていても気兼ねなく、わらびのかごのなかへ

    わらびとは山菜そばに入っているあれではなく(笑)、沖縄では「シダ」のことをさすのだとか。

    温暖湿潤な気候のなかで育ったシダにはすぐれた防水性があり、水気が残った食器をのせてもOKなのだそう。これはよい水切りかごを見つけたぞ、とほくほくで持ち帰ったのでした。

    しなやかなシダの茎をゆるやかに編んでつくられたそのかごは、ひとかかえほどある大きさなのに持ってみると驚くほど軽いのです。

    そのため、食器洗いのあとは台所の戸棚に引っ掛けて収納。おかげで次の食事のときまでにはしっかり乾いてカビ知らず。吊るしておけば作業スペースを広く使うことができるのも気に入っています。

    画像: 使わないときは引っ掛け収納。とても軽いので扱いも楽です

    使わないときは引っ掛け収納。とても軽いので扱いも楽です



    〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

    画像: プラスチックフリーを叶える「へちまたわし」

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。

    現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
    インスタグラム:@minowa_mayumi
    voicy:FU-KOなまいにちラジオ

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