(『更年期の不調の原因は栄養不足が9割 』より)
更年期を健やかに過ごすために大切な「睡眠」
更年期に入ると、体や心の調子がなんとなく悪い……そんな変化を感じる女性が増えてきます。
「更年期」とは、閉経の前後10年の期間のこと。この時期に、手足のしびれ、冷えや痛み、ホットフラッシュ、気分の落ち込み、不眠、関節痛など、さまざまな不調があらわれることがあります。
更年期に不調が出る大きな理由のひとつは、女性ホルモンの急激な変化です。男性にもホルモンの変化はありますが、女性の場合はその変化が一気に起こるため、体への影響も大きくなります。
更年期を健やかに過ごすために、食事や運動と並んで大切なのが「睡眠」です。体と心を休めるために欠かせない時間です。とくに更年期には、自律神経やホルモンバランスが乱れやすくなるため、しっかり眠ることがとても大切です。

理想的な睡眠とは?
理想的な睡眠は、日付が変わる前に眠りにつき、7時間程度の休息をとることです。とくに、寝る前の過ごし方が質の良い睡眠に大きく関わります。
スマートフォンやパソコンの画面は、できるだけ寝る前には見ないようにしましょう。ブルーライトの刺激によって脳が目覚めてしまい、寝つきが悪くなる原因になります。
代わりに、部屋の照明を少し暗くしたり、静かな音楽を流したり、アロマを活用したりと、気持ちを落ち着ける工夫を取り入れてみてください。
Q&A
Q:睡眠の大切さはよくわかっているのですが、長年の習慣で、5時間前後の睡眠が続いています。最も大きなリスクはどのようなものでしょうか?
A:慢性的な睡眠不足は、女性ホルモンの調整に関わる自律神経のバランスを乱し、ホットフラッシュや気分の落ち込みを悪化させる原因に。さらに、脳の老廃物を排出する働きも低下し、将来の認知症リスクも高まるといわれています。まずは15分の早寝から習慣づけてみましょう。
※ 本記事は『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』(あさ出版)からの抜粋です。
〈イラスト/イケマリコ〉
梶尚志(かじ・たかし)
梶の木内科医院院長(岐阜県可児市)、七夕医院名古屋院総院長(愛知県名古屋市)、総合内科専門医、医学博士。
1964年、富山県生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部医学科卒業。総合内科専門医、腎臓専門医として年間約5万人の患者を診察する中で、通常の診察では解決できない「体の不調」に栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行い、改善に導いている。著書に『え、私って、栄養失調だったの?』『え、うちの子って、栄養失調だったの?』(共にみらいパブリッシング)がある。
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