ペンの持ち方を変えるだけで、“文字は美しく”なります
編集K 実はずっと、自分の字があまり好きじゃなくて。宛名を書く機会も多いのに、書くたびにちょっと気持ちが沈んでしまうんです。
萩原(萩原季実子さん) そう感じている方、とても多いですよ。でも大丈夫。字は、今からでもちゃんと変わります。
編集K 本当ですか? もう癖がついてしまっている気がしていて……。
萩原 癖があっても問題ありません。実は、姿勢やペンの持ち方を少し見直すだけでも、10分ほどで文字の印象はぐっと変わるんですよ。まずは、体の向きや紙の置き方、ペンの持ち方。そこが整うだけで、線の安定感がまったく違ってきます。加えて、漢字やひらがなの基本の線の考え方、文字の大きさや配置のバランスまで押さえると、誰でも自然と美しい字になっていきます。
編集K 全部、今日からすぐできることなんですね!
萩原 はい。直筆のお手紙は好印象にもつながりますから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

「コツをおさえれば、誰でも10分できれいな字が書けるようになりますよ!」美文字講師・萩原季実子さん
萩原季実子さんに教わる
美文字の書き方5つのポイント
1 「書くときの姿勢」と「紙の位置」を正しく

まずは正しい姿勢が大切です。紙は「正面」ではなく「利き手の延長線上」に置き、背筋をすっと伸ばします。
体と机のあいだは、こぶしひとつ分ほどあけるのが目安です。目と紙は30cm以上離すようにしましょう。ここの距離が心地よく保たれると、自分の文字を少し引いて眺めることができ、全体のバランスも自然と整いやすくなります。
NGの例

NG例 体の正面に紙を置く
体の正面に紙を置いてしまうと、腕が動かしづらく、手元で紙が隠れてしまいがちです。また書いている文字が見えにくくなってしまいます。

NG例 利き手と反対側に紙を置く
利き手と反対側に紙を置くと、体がねじれやすくなり、文字も自然と斜めに。無理のない配置を意識しましょう。
2 「ペンの持ち方」は力みすぎず“ふんわり”

ペンの下のほうを、親指と人差し指でそっと挟み、中指・薬指・小指は縦にやさしくそろえます。力を入れすぎず、ふんわりと持つのがポイントです。
中でも大切なのが小指。小指を「C」の字のような形に添えると、指や手首が動かしやすくなり、文字もなめらかに書けるようになります。
NGの例

NG例 こぶしを握る
こぶしを握るようにペンを持つと、手首の可動域が狭まり文字が書きづらくなります。

NG例 親指が出る
親指がペンより上に飛び出てしまうのもNG。こちらも同様に手首の可動域が狭まり、文字が書きづらくなります。
〈撮影/星 亘 取材・文/高田真莉絵〉
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美文字に必要なのは練習ではなくコツでした
すべての字についてきれいな書き方を身につけ、何度も紙に書いて練習すれば、いつの日かきっと美文字を習得できることでしょう。しかし、それでは時間がかかり、あきらめてしまう方もいます。この本では、「STEP1:字のカタチ」「STEP2:文章のバランス」「STEP3:用紙のレイアウト」の順に美文字のコツを身につけ、誰もが最短できれいな字が書けるようになる方法を紹介。長時間の練習は必要ありません。1回10分、大きくて見やすい解説ページでコツを覚え、開きやすく書きやすいワークページで練習をすれば、わずかな期間で字がみるみる上達していくことを実感していただけるはずです。
萩原季実子(はぎはら・きみこ)
美文字講師。ペン字・筆ペン教室myMOJI主宰。子どもの頃から手紙を書くことが趣味で、会社員時代に「手書きの一筆箋・お礼状・封筒の宛名」を独自の営業ツールとして活用。顧客獲得数1位などの営業成績を残す。誰でも一瞬できれいな字が書けるコツが大人気。これまでに3000人以上の文字を美しく生まれ変わらせてきた。最新著書『3ステップですぐ上達 新・美文字レッスン帳』(扶桑社)が12月22日に発売予定。
Webサイト:https://mymoji.jp/
インスタグラム:@kimiko_mymoji
YouTube:きみこ先生の美文字チャンネル

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