• 冬になるとつくりたくなるもの。それはわが家自慢のお鍋です。料理研究家の荻野恭子さんに、とっておきの十八番鍋「グヤージュ(牛肉とパプリカの煮込み鍋)」のつくり方を教えていただきました。「グヤージュ」はハンガリーの鍋。その名は、“牛飼いの鍋”を意味します。湯気の向こうの大切なだれかを思い浮かべながら、いつもと違う鍋料理を楽しんでみませんか。
    (『天然生活』2025年2月号掲載)

    「グヤージュ(牛肉とパプリカの煮込み鍋)」のつくり方

    画像: 「グヤージュ(牛肉とパプリカの煮込み鍋)」のつくり方

    ハンガリー料理には、パプリカパウダーが欠かせません。

    手早くつくりたいなら、肉は薄切り肉を使っても。

    材料(2~3人分)

    ● 牛肉(シチュー用)250g
    ● 玉ねぎ1/4個
    ● にんじん1/4本
    ● キャベツ1/8個
    ● ブロッコリー1/2個
    ● にんにく1片
    A
    ・パプリカパウダー大さじ1
    ・マジョラムシード
    (またはキャラウェイシード、オレガノ)
    小さじ1
    ・水3カップ
    ● 塩小さじ1/2
    ● こしょう適量
    ● 油大さじ1

    つくり方

     牛肉に塩、こしょうをまぶす。玉ねぎとにんにくは薄切り、にんじんは1cm厚さの半月切りにする。キャベツは2cm角のざく切りにする。ブロッコリーは小房に分ける。ブロッコリーの茎は外側のかたい部分をむき、適当な大きさに切る。

     鍋に油を熱し、の玉ねぎとにんにくを弱めの中火で炒める。じっくり炒めて茶色っぽく色づいたら、牛肉を加えて炒め合わせる。にんじんとキャベツ、ブロッコリーの茎を加えてさらにさっと炒め、Aを加える。中火にかけ、沸いたらふたをして弱火で肉がやわらかくなるまで30分ほど煮る。

     ブロッコリーを加え、好みのかたさになるまでさらに煮る。味をみて、塩、こしょう各適量(分量外)でととのえる。

    画像: 鍋敷きにもお国柄が出ます

    鍋敷きにもお国柄が出ます

    画像: 牛飼い気分の鉄鍋です

    牛飼い気分の鉄鍋です

    おすすめの〆

    ダンプリング

    たとえるなら卵入りすいとん。手打ちパスタよりずっと手軽につくれる。「外でつくるんだもの。そんな凝ったことはできないわね」と荻野さん。

    画像: 冬のおすすめ煮込み鍋「牛肉とパプリカの煮込み鍋(グヤージュ)」のつくり方。料理研究家・荻野恭子さんの十八番鍋、ハンガリーの“牛飼い”たちが野外でつくった伝統料理

    鍋の〆ダンプリングの材料とつくり方(2~3人分)

     薄力粉100g、卵小1個、塩少々をボウルに混ぜ合わせる。1cm厚さにのばし、1cm角に切り分ける。両手でこすり合わせるようにして5cm長さの棒状にのばす。

     鍋にたっぷりの湯を沸かし、をゆでる。浮いてきたらざるにあげる。バター適量をからめておく。

    民族の暮らしぶりを想像しながら、異国情緒あふれる鍋を

    大きな鍋に、肉や野菜をたくさん入れて、ぐつぐつ煮込んでみんなで食べる。そんな楽しみ方は、どうやら人類共通のようです。

    世界各国を旅しながら現地の味に触れ、食文化への造詣が深いことで知られる荻野恭子さん。今回紹介してくれたのは、ネーミングに料理のあらましが表現されている「グヤージュ」。

    「グヤージュ」はハンガリーの鍋。その名は、“牛飼いの鍋”を意味します。

    「ここは、やっぱり鉄鍋を使いたいですね。なぜなら、牛飼いたちが放牧の合間に、外でつくった料理だから。火をおこして、長い棒かなんかに鍋を引っ掛けて調理したんですね。割れちゃう鍋を、まさか持ち運ぶわけないじゃない?」

    実はこの日、荻野さんはこのスープにとろみをつけようかとも考えていたそう。

    「バターと薄力粉を大さじ1ずつ合わせて練った、ブールマニエを最後に入れるつもりで。ハンガリーはかのハプスブルク家の影響も受けていますから、実は贅沢な料理もたくさんあるんですよ。ブールマニエなんかは、その流れのものよね。……でも、ここは潔く素朴にいこうと思い直したんです。だってせっかくの牛飼いの鍋だもの、名前そのままのイメージでね」

    画像: 民族の暮らしぶりを想像しながら、異国情緒あふれる鍋を


    〈料理・スタイリング/荻野恭子 撮影/公文美和 取材・文/福山雅美〉

    荻野恭子(おぎの・きょうこ)
    テレビ、雑誌、書籍などで活躍を続けながら世界各国をめぐり、食文化を学ぶ。著書に『ビーツ、私のふだん料理』(扶桑社)。本場の味を学べる料理教室も大人気。
    https://www.cook-ogino.jp/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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