防災のプロ・辻直美さんに、いざというときに役立つものを教わりました

お話を伺ったのは、国際災害レスキューナースの辻直美さん。ペットボトルやゴミ袋など、身近なものを災害時に役立てる方法を教えていただきました
「身近にあるものを工夫して代用できれば、専用のものをわざわざ購入する必要はありません。『ものが増えて困る』といった事態も防ぐことができます。なかでも、万能なのがPPGSなんです」と辻さん。
そのPPGSとはこちら。

P:ペットボトル
P:ペットシーツ
G:ゴミ袋
S:新聞紙
どれも特別な防災用品ではなく、どの家庭にもある日用品。
「新聞紙や空のペットボトルは、捨ててしまう方も多いと思います。でも、新聞紙は1か月分、ペットボトルは数本、ぜひ家に残しておいてください。いざというとき、きっと役に立つはずです」
ではさっそく、その使い方を教えていただきましょう。
「ペットボトル」はランタンや簡易シャワーに
まずはペットボトル。
「懐中電灯はあるけれど、部屋全体を照らしたい。そんなときに使えるのが、ペットボトルを使った簡易ランタンです。上向きにした懐中電灯の上に、水を入れたペットボトルを乗せるだけ。光が水によって拡散され、部屋全体がやさしく照らされます」
ペットボトルランタンのつくり方
懐中電灯と水が入ったペットボトルを用意します。飲料水にするわけではないので、くみ置きの古い水でもかまいません。

懐中電灯をライトが上を向くように固定し、水を入れたペットボトルをのせれば出来上がり。懐中電灯の光が水によって拡散され、部屋全体を照らします。

ペットボトルシャワーのつくり方
さらに辻さんが「ぜひ覚えておいてほしい」と話すのが、ペットボトルでつくる簡易シャワー。
「断水すると、使える水は本当に限られます。キャップに小さな穴をひとつ開けて付け替えるだけで、ペットボトルが節水シャワーになるんです」

この簡易シャワー、手洗いや赤ちゃんの沐浴などに使えるほか、簡易的なウォシュレットとしても使ってほしいと辻さん。
「被災生活はお風呂やシャワーが使えない日が続きます。デリケートゾーンが清潔に保てないと、膀胱炎や腎臓の病気を引き起こすことも。1日に使える生活用水は1リットル程度しかありませんが、そんな環境でも清潔にすごすためのペットボトルウォシュレットなのです」
飲料メーカーによってキャップの口径が異なるため、辻さんはメーカー違いのキャップを3種類、常に携帯しているそうです。

本記事は『最強版プチプラ防災』(扶桑社)からの抜粋です
〈撮影/星 亘 取材・文/鈴木靖子〉
辻 直美(つじ・なおみ)
国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾 代表理事。
国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年、災害レスキューナースとしては31年活動し、被災地派遣は国内外合わせて30ヶ所以上。
現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力。国際災害レスキューナースとして、TBS「ひるおび」、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、ベイエフエム「ミラクル」、ABC「おはよう朝日です」、MBS「よんチャンTV」など数多くの媒体に出演。被災地での過酷な経験をもとに、"本当に使えた"防災の「自衛術」を多くの人に知ってほしいと、メディアを通じて啓もう活動を行うとともに、大学や小中学校で教えるだけでなく、企業や一般向けの防災講座も行なっている。
* * *
TV、ラジオ、雑誌などメディアに多数出演の国際災害レスキューナース・辻 直美さんが国内外30か所以上のレスキュー経験で得た最新の知見を一冊にまとめました。
阪神・淡路大震災で実家が全壊し、防災に目覚めた著者・辻直美さん。2019年の大阪府北部地震では震度6弱を経験しましたが、100円ショップのアイテムを駆使して「震度6弱に耐えた家」をつくりあげていたため無傷。同じマンション・同じ間取りの隣の家は住人が大腿骨骨折の重傷を負い、部屋は壊滅。原状復帰に60万円もかかったそうです。
こうした経験を生かし、お金をかけずに命を守る方法を余すところなく伝授します。
「プロの備蓄品30品目リスト」、「家にあるものでできる防災リュック」、「ペットの命を守る防災術」、「生死を分ける被災時のアクション」、「在宅避難を可能にする準備」など、“あなたとあなたの家族の命を守る”最新防災情報が満載です。





