• 台湾を訪れたハーバリストの石丸沙織さんに、旅のお話を聞きました。石丸さんの暮らしに欠かせないハーブや薬草、旅先ではどんな出会いが待っているのでしょうか? 今回は、台湾の食文化と、石丸さんが気になっていた薬草「仙草」を使った台湾スイーツのお話です。

    体にやさしい「食」と出会える場所

    学生時代、台湾人の友人たちに、よくいわれていたことをふと思い出すことがあります。課題にバイトに忙しい毎日でも、「冷たいものを食べないように」と声をかけてくれていました。

    「買ってきたものやつくりおきでも、温めて食べた方が体にやさしいよ」という意味だと思っていたのですが、それだけでなく、だれかが順番に準備して、何人かで集まって出来たての食事をしていました。

    薬草と「食」のつながりを求めながら、ふと「何」を食べるかはもちろんですが、「つくりたてを食べる」ところに、台湾の「食」の愉しみが広がっているのかなと想像しました。

    つくりたてとして出会うのは、じっくり煮込んだ懐かしいひと皿やひと手間をかけたスイーツ、搾りたてのスイカジュース、長年守られてきた素朴なレシピの万頭や包子まで、さまざまです。

    わざわざ謳っていなくても、味付けにはスパイスハーブが使われていて、体を整える緑豆・小豆・芋類や、火照って汗をかいた体への水分補給に欠かせない果物、ミネラルたっぷりの黒糖、季節の野菜が詰まっているのです。

    画像: リニューアルオープンした、台北・南門市場の万頭屋さん

    リニューアルオープンした、台北・南門市場の万頭屋さん

    画像: 漢方薬材や乾物が並ぶ、台北・油化街

    漢方薬材や乾物が並ぶ、台北・油化街

    さらに、朝食、昼食、夕食に軽食やおやつまで、早朝から深夜までそこに集う人々のにぎわいもまた、台湾の「食」をおいしくしてくれる魅力だと思います。

    旅人たちがローカルな市場に足を運んだり、毎日がお祭りのような夜市にひかれたりするのは、そんな人々に魅了されるからに違いありません。

    画像: 台南・鴨母寮公有零售市場のにぎわい

    台南・鴨母寮公有零售市場のにぎわい

    そもそも、外食文化が根付いていることや、高温多湿でつくりおきがしにくいという事情もありそうですが、台湾の食は「医食同源」の視点で薬草との関わりを探すことに、こだわりすぎなくてもよいのでしょう。

    台湾では「つくりたて」の体にやさしい「食」が日々の糧となり、その食卓に詰め込まれた食材には薬草が添えられていて、ただおいしいものを楽しんでいるのかもしれません。

    画像: 迪化街で食べた杏仁豆腐

    迪化街で食べた杏仁豆腐

    画像: 街角のドリンクスタンドと薬材屋さんの山積みになったにんにく

    街角のドリンクスタンドと薬材屋さんの山積みになったにんにく

    〈撮影/田尾沙織 文/石丸沙織〉

    石丸沙織(いしまる・さおり)
    英国メディカルハーバリスト、アロマセラピスト。イギリスでハーブ医学を学んだのち、東京、香港を経て、2011年より鹿児島県奄美大島在住。地域に根差したハーバリストとして、身近なハーブを暮らしに取り入れたケアを広めている。菓子研究家・長田佳子さんとの共著に『ハーブレッスンブック』(アノニマ・スタジオ)、訳書に『フィンランド発 ヘンリエッタの実践ハーブ療法』(フレグランスジャーナル社)がある。

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    『ハーブレッスンブック』(石丸沙織・長田佳子・著/アノニマ・スタジオ・刊)

    画像: 台湾の“食とハーブ”を巡る旅。人気スイーツ「仙草ゼリー」の材料は愛らしい薬草!?体にやさしい台湾の食文化を訪ねて/ハーバリスト・石丸沙織さん

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    メディカルハーバリストの石丸沙織さんと菓子研究家・長田佳子さんは2018年より「herb lesson」を開催してきました。ハーブのテイスティングとそのシェアリングに時間をかけ、教科書的なハーブの知識だけではなく、それらが使う人の心身にどのように響くかを大切にしています。

    ハーブティー、ブレンドの考え方、ハーブバス、チンキなどのレメディ、ハーブの風味を味わうお菓子を暮らしに取り入れてみましょう。自分の感覚を大事にする、こころとからだを癒すセルフケアの方法やアイデアをご紹介します。

    ハーブとの出会いを通して、新しい自分に出会える一冊です。



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