保護猫と仲良くなるために私がやったこと
猫のほうから近づいてくるのを待つ
仲良くなりたいと、つい手を伸ばしたり、あとを追ったりしたくなります。けれど、怖がっている猫には逃げ道が必要です。猫がこちらを見ていても、まずは静かに過ごし、自分から近づいてくるのを待ちます。
安心して隠れられる場所を用意する
箱やケージ、家具の下など、人の目から隠れられる場所があると、猫は落ち着きやすくなります。姿が見えないと心配になりますが、安全が確認できる場所なら、無理に引っ張り出さず、猫の避難所としてわが家では残しておきました。
ごはんや掃除の時間をなるべく一定にした
毎日の流れが決まっていると、猫は次に何が起こるのかを予測できるようになります。「この人が来ると、ごはんがもらえる」「掃除が終われば静かになる」と覚えることが、少しずつわが家の猫の安心につながったようです。
大きな音や急な動きを避ける
上から手を伸ばしたり、急に立ち上がったりすると、猫を驚かせてしまうことがあります。できるだけゆっくり動き、話しかけるときも穏やかな声を心がけます。
小さな変化を見逃さない
同じ部屋にいられた、目の前でごはんを食べた、逃げずにこちらを見た。人間にはささやかに見える変化も、怖がりの猫にとっては大きな1歩です。
後戻りしても、信頼がなくなったと思わない
通院や来客、大きな物音などをきっかけに、また隠れることもあります。けれど、それまでに積み重ねた時間がすべて消えたわけではありません。あせらず、もう一度いつもの暮らしに戻します。
ほかの猫と比べない
すぐに抱っこされる子もいれば、何年たっても抱っこは苦手な子もいます。近くで眠る、声をかけると目を細める、同じ部屋でくつろぐ。それも、その子なりの「安心しているよ」という合図です。
保護猫の心は、ほんの少し開いて、また閉じて。それでもいつか、部屋のまんなかへ出てきます。
そしてある日、人間のそばへやってきて、おしりを高く上げるのです。
急がず、追わず、猫の時間を待つこと。
それが遠回りに見えて、一番確かな、仲良くなる方法なのだと、今日もまあるくなったヨナのおしりににやけるのです。
▼ヨナについて綴った、こちらのお話もあわせてどうぞ
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咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ、大阪在住。作家、家族療法カウンセラー。夫と10匹の元保護猫と暮らす。心の病や生きづらさを抱えるなか、不治の病をもつ一匹の猫との出会いをきっかけに、「命は、生きているだけで愛おしい」ということを知る。以来、生きづらさのなかにある小さな希望を、ノンフィクションや小説、エッセイに綴りつつ、NHKの福祉番組への出演、全国での講演などでも活動。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(KADOKAWA)など。
◆note:https://note.com/sakiseri
◆ブログ「ちいさなチカラ」
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【心が疲れた夜にそっと開く、初の短編小説集】
『絶滅するまで営業中』(田畑書店)
「ひとりきりでも、揚げたてコロッケはおいしいけれど、絶滅の前夜、恐竜たちは、誰かと何かを食べたのだろうか」
大阪の片隅。この世界からこぼれそうな人たちが、ふっと息をつけるうらぶれた居酒屋「飛鳥」。
・本日のフランス料理「ちくわぶとねぎのグラタン」
・自動販売機の50円のカフェオレチューハイ
・猫も喜ぶどて焼きオムレツ
・裏メニュー「ぐちゃまぜ豆腐丼」
雑であたたかなごはんと、傷を負った人々の泥臭いぬくもりを描いた、絶望のなかにあるちいさな灯りの物語(全4編)。
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