• 「賃貸だから」「理想の内装じゃないから」と、いまの住まいをあきらめていませんか? 間取りや建具などの制約があっても、工夫次第で自分をいやしてくれる空間はつくれます。賃貸マンションで試行錯誤しながら、日々の暮らしの改善を“生活研究日記”として発信するインテリアプランナーの岩部圭子さんに、賃貸でのキッチン収納の見直しについて聞きました。明日から無理なくできる、“居心地のいい部屋を育てる”ヒントを教えてもらいます。

    「もっと広ければ」をやめて。賃貸キッチンの収納の見直し

    「もっと広いキッチンだったら」「もっとキッチンに収納が多かったら」……賃貸で暮らし始めてから、何度悩んできたことでしょう。

    調理台いっぱいにまな板を広げると、ボウルを置く場所がない。切ったものを置く場所がない。調味料を詰め込みすぎて、どこに何があるかわかりづらい。使い終わった鍋をしまおうとするたびに、ほかのものがつっかえて出てくる……。

    何度も見直しを繰り返すうちに、ある日気づいたのです。

    料理がしやすいキッチンは、広さだけでは決まらない。収納の考え方が変わるだけで、キッチンに立つ気持ちまで変わることがあるということ。

    今日は、住み始めたころの私に伝えたい、キッチン収納についての気づきの記録をまとめてみます。

    賃貸キッチンの収納見直し①
    空間に合わせて収納道具を選ぶ

    画像1: 賃貸キッチンの収納見直し① 空間に合わせて収納道具を選ぶ

    私は長年、できるだけ収納道具にお金をかけたくなくて、引っ越し前から使っていたものや、もらってきたものをなんとか使いまわしていました。

    「まだ使えるし、これでいいかな」と思いながら、あるものでうまく組み合わせて収納できないか、試行錯誤していました。

    でも実際に暮らしていると、最初は片づいていても、使っているうちに少しずつものがあふれて、ごちゃごちゃしてくるのです。

    備え付けの収納の中に、収納したいものは入りきらない。引き出しも高さを使い切れていない。シンク下にはなんとも使いにくいすき間ができたまま。

    でも、片づいていない状態を見るたびに「また片づければいいことだし」と思って、そこにある小さな使いづらさを後回しにしていました。

    そんなある日、夫の提案で収納道具を買い替えてみたら、驚くほど使いやすくなったのです。

    画像: Before:空間の上が余っていたので、ここを活かせるような収納道具をリサーチ

    Before:空間の上が余っていたので、ここを活かせるような収納道具をリサーチ

    画像: After:上の空間もしっかりと使えて、収納したいものがすべておさまりました

    After:上の空間もしっかりと使えて、収納したいものがすべておさまりました

    そのとき初めて、収納は「あるものをどう収めるか」だけではなく、いまある空間をどう使うかという視点で考えることが大切なんだと気づきました。

    それからは、手持ちの収納道具を無理に使いまわすのではなく、「この場所に合うもの」を選ぶようになりました。

    まずは、収納したい場所の幅・高さ・奥行きを見る。

    そのうえで、「この空間には、どんな収納があれば作業がスムーズだろう?」と考えて、サイズや仕様の合う収納道具を選ぶ

    すると、いままで「使えない」と思っていた小さな空間も、少しずつ活かせるようになっていきました。

    空間に余裕が生まれると、ものが見やすくなり、「ものの住所」が決まります。

    画像2: 賃貸キッチンの収納見直し① 空間に合わせて収納道具を選ぶ

    何がどこにあるのかがわかりやすくなって、取り出すときにも迷わない。キッチンの中での動きも少しずつスムーズになっていきました。

    そして何より、「片づけてもまたすぐごちゃごちゃする」という小さなストレスがなくなっていったんです。

    もしいま、収納が使いにくいと感じているなら、まずは一番使いにくい収納をひとつだけ選んで、中に入っているものを全部出してみることをおすすめします。

    いったん空っぽにしてみると、「ここには何が入ると使いやすいのか」「どこにむだな空間があるのか」が見えやすくなります。

    そのうえで、いまもっている収納道具を使い続けることを前提にせず、「この空間をもっと使いやすくするには?」という視点で、収納の仕組みを考えてみるとよいかもしれません。

    画像3: 賃貸キッチンの収納見直し① 空間に合わせて収納道具を選ぶ

    そして、昔の自分に伝えておきたいのは、毎日使う場所だからこそ、最初に思い切って整えておいたほうがいいよ! ということ。

    「まだ使えるから」「もったいないから」とがまんして使い続けるよりも、いまの自分が気持ちよく動けることを優先する。それも、キッチンを好きな場所にしていくための、私なりのひとつの「ものさし」なのかなと思います。



    画像2: いまのキッチンに向き合うことで、まだできることがある

    岩部 圭子(いわべ けいこ)
    インテリアや生活雑貨のブランドで、WebコンテンツやSNSの企画・制作に携わったのちインテリアプランナーとして独立。「素敵な部屋に憧れるばかりだった自分」の経験をもとに、いまある住まいの中で少しずつ好きな空間を育てていく方法を発信している。インスタグラムやブログのほか、オンラインで部屋づくりの相談を受けながら、暮らしとインテリアを自分のものさしで楽しむヒントを届けている。
    インスタグラム:@be___him
    インテリア相談室:https://behim.blog/



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