• 年齢とともに「おなかが出てきた」「お尻が下がってきた」と感じることはありませんか? それは更年期による体の変化が原因かもしれません。骨盤が傾いたり、骨や筋肉が衰えたりすることで、姿勢や体形にも影響が出てくるのだとか……。総合内科専門医の梶尚志先生に、更年期世代の骨・筋肉・姿勢の変化と、無理なく続けられる「ゆる骨活」について教えていただきました。日々の食事と運動で、いつまでも健やかな体をつくりましょう。

    更年期になると、なぜ骨と姿勢が変化しやすくなるのか?

    女性の骨の健康を考えるうえで欠かせないのが、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。エストロゲンには、骨が過剰に壊されるのを抑える働きがあります。

    ところが閉経前後になると、卵巣の働きが低下してエストロゲンの分泌が急激に減少します。すると、骨を壊す働きが強くなり、骨量が減少しやすくなります。これが、閉経後の女性に骨粗しょう症が増える大きな理由です。

    画像1: 更年期になると、なぜ骨と姿勢が変化しやすくなるのか?

    さらに、更年期以降は背中、お尻、太ももの筋肉量や筋力も低下しやすくなり、体をまっすぐ保つことが難しくなり、姿勢の変化にもつながっていきます。

    加齢による猫背や背中の丸まりは、椎間板の変化や背筋力の低下など、複数の要因が関係すると考えられています。(※1)

    つまり、骨と筋肉の両方を同時に守ることが、姿勢を保ち、将来の歩く力や生活の自立につながります。

    猫背や巻き肩を放置すると、転びやすさにもつながる

    画像2: 更年期になると、なぜ骨と姿勢が変化しやすくなるのか?

    背中が丸くなり、頭や肩が前に出る猫背や巻き肩では、体の重心も前方へ移動します。すると、体は倒れないようにひざを曲げたり、歩幅を小さくしたりしてバランスを取ろうとします。その状態が続くと、小さな段差でもつまずきやすくなることがあります。

    骨粗しょう症で背中が大きく丸まっている女性を調べた研究では、背中や足の筋力が弱く、歩くときのバランスも不安定になりやすいことが報告されています。(※2)

    一方で、背中を伸ばす筋肉を鍛え、姿勢を意識する運動をすることで、年齢とともに進む背中の丸まりが改善できる可能性も示されています。(※3)

    つまり、「背骨を支える背筋、骨盤を安定させるお尻の筋肉、歩行を支える脚の筋肉」を、日常生活のなかで少しずつ使うことが大切です。



    〈文/梶 尚志〉

    画像3: 骨は「適度な刺激」を受けることで保たれる

    梶 尚志(かじ・たかし)
    梶の木内科医院院長、七夕医院総院長。
    総合内科専門医、腎臓専門医、家庭医、日本抗加齢医学会専門医。
    2000年、岐阜県可児市に梶の木内科医院を開設。年間約5万人の患者を診察するなかで、通常の診察では解決できない不調が多いことに危機感を感じ、改善策を模索。分子整合栄養医学との出会いをきっかけに、不調の原因が栄養状態にあることを確信する。以来、栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行い、2025年7月に名古屋分院、名古屋七夕医院名古屋院を開院、多くの女性の不調の改善に取り組んでいる。




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