• 小さな工夫や、ちょっとしたこだわりが詰まった「わが家の定番」トースト&サンドイッチを教わりました。今回は、料理家 渡辺康啓さんの「照り焼きチキンのオープンサンド」「きゅうりとハムのサンドイッチ」を紹介します。
    (『天然生活』2014年9月号掲載)

    食感や厚みも考えたみためもきれいなサンド

    「料理を通じて美しいものを表現すること」をテーマにしている渡辺さん。サンドイッチに関しては、「食べやすさが、美しさにつながる」という見解。パンの上に美しく収まる姿を想像しながら、具材の準備を進めます。

    オープンサンドのチキンは、皮目を軽くソテーしたあと、低温のオーブンで焼くことで、ふっくらした食感に。一緒にのせた、キャベツとキャラウェイの清涼感が食欲をそそります。

    一方、サンドイッチの、ひとり分にたっぷり一本を使うきゅうりは、必ず包丁でカット。切り目が均一になるスライサーは使いません。その歯ごたえを、前歯で楽しめるようにハムよりきゅうりを上にしてお皿に盛るのがコツだそう。

    マヨのコク、和がらしの辛味、ハムのうま味。最小限の構成要素がピタリと決まるバランスは、背筋が伸びるような、心地よささえ感じさせてくれます。

    照り焼きチキンのオープンサンド

    ※トップの写真の料理です

    材料とつくり方(2人分)

    • とりもも肉1枚は濃いめの塩水で洗い、ぬめりを取って、余分な脂を取り除く。
    • しょうゆ大さじ1 1/2、酒、みりん各大さじ2、砂糖小さじ1を合わせたものにひと晩漬け、焼く直前に水分をキッチンペーパーでふき取る。
    • フライパンにオリーブオイル適量をひいて中弱火で熱し、皮目のほうを下にして焼く。
    • 片面に香ばしいこげ目がついたら取り出して耐熱皿に移し、140℃のオーブンで約10分焼く。
    • キャベツ1/4玉はせん切りにして厚手鍋に入れ、オリーブオイル大さじ3、赤ワインビネガー大さじ2、塩ひとつまみ、キャラウェイシード小さじ1を加え、ふたをして強火にかける。
    • 沸騰したら弱火に落とし、キャベツがしんなりするまで約1分煮て、塩で味をととのえる。
    • 軽くこげ目がつくくらいにトーストした食パン(12枚切り)2枚のそれぞれ片面にマヨネーズ各小さじ2をぬり、キャベツ適量をのせ、斜め薄切りにしたとりの照り焼きをのせ、黒こしょうをひく。
    画像: 12枚切りの食パンは、具材をのせても薄く食べやすい厚さ

    12枚切りの食パンは、具材をのせても薄く食べやすい厚さ

    きゅうりとハムのサンドイッチ

    画像1: きゅうりとハムのサンドイッチ

    材料とつくり方(2人分)

    • きゅうり2本は包丁の背で表面のいぼを落としたあと薄切りにし、塩ひとつまみをふって軽くもむ。
    • 1時間ほどおいて、出てきた水分を手でぎゅっとしぼる。
    • 軽くこげ目がつくくらいにトーストした食パン(12枚切り)4枚のそれぞれ片面に、マヨネーズ各小さじ2、和がらし少々を混ぜたものをぬる。
    • 直前に、さらに水けをしぼったきゅうりをのせ、半分に折った薄手のロースハム各4枚をのせ、粗塩ひとつまみをふり、こしょうをひく。
    • もう一枚のトーストを重ね、上から軽く手で押し、なじませてから斜め半分に切る。
    画像: きゅうりは塩もみしてからいったん水けをきり、パンにはさむ直前にも再度、手でしぼることで、歯ごたえがシャキシャキに

    きゅうりは塩もみしてからいったん水けをきり、パンにはさむ直前にも再度、手でしぼることで、歯ごたえがシャキシャキに

    画像: マヨネーズと和がらしは、手に入りやすいものでOK

    マヨネーズと和がらしは、手に入りやすいものでOK

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    <撮影/馬場わかな 取材・文/田中のり子>

    画像2: きゅうりとハムのサンドイッチ

    渡辺康啓(わたなべ・やすひろ)
    アパレル勤務を経て2007年、料理家として独立。東京・二子玉川にスタジオを構え、料理教室を主宰している。
    http://www.igrekdoublev.com/

    取材・文/田中のり子(たなか・のりこ)
    衣食住、暮らしまわりの編集・ライター。編集を担当した本は、ワタナベマキさん著
    『旬菜ごよみ365日』(誠文堂新光社)など多数。著書に『暮らしが変わる仕事』(誠文堂新光社)がある。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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