• 『天然生活』誌上に、2014年8月号から2016年2月号まで掲載された、人気連載「長谷川弓子 季節の魚料理」。その中から、「秋鮭」を取り上げた記事を紹介します。今回は、「鮭の粕煮」です。
    (『天然生活』2015年12月号掲載)

    近頃は、家庭で魚をおろす方が少なくなったそうですが、魚料理好きの私としては、なんだか少し、さびしい気がします。「おろすのは難しいのでは?」と感じている方、ご安心ください。この連載を通しておろし方を覚えれば、けっして難しくはありませんよ。

    長谷川弓子

    鮭 旬 9〜11月

    画像: 鮭 旬 9〜11月

    この時季、川を遡上してくる「秋鮭」が、鮮魚コーナーにたくさん並んでいます。きれいなサーモンピンクの身の色をした鮭は、淡泊な素材ながらも、その中にある良質なタンパク質のうま味を引き出せば、さまざまなおいしい料理に仕立てることができます。

    抗酸化作用のあるアスタキサンチンを多く含むといわれている鮭。おいしく食べて、きれいになれる、一石二鳥のお魚ですね。

    鮭の粕煮

    鮭と根菜がたくさんの、寒い日にぴったりの料理。酒粕と一緒に味噌も加えているので、食べやすい味です。

    画像1: 鮭の粕煮

    鮭の切り身に少し多めの塩をふり、しばらくおきます。そのあと、熱湯で霜降りにしてから煮ることで生臭さを除き、鮭のもつうま味が引き出され、おいしい汁に仕上がります。

    材料(2人分)

    • 生鮭(または甘塩鮭)の切り身 2切れ
    • じゃがいも 1個
    • 大根 4cm長さ(150g)
    • にんじん 4cm長さ(50g)
    • こんにゃく 50g
    • 油揚げ 1/2枚
    • 昆布だし 550ml
    • 酒粕 100~120g
    • 味噌 18g(大さじ1)
    • A
      • 塩 小さじ1/4
      • 淡口しょうゆ 少々
      • 酒 大さじ1/2~1
    • 長ねぎ(小口切り) 5cm分

    つくり方

    1. 生鮭は表面全体がうっすら白くなるくらいの多めの塩をふり、10~15分、置いておく。小骨があれば骨抜きで抜き、1切れを5~6等分にする。熱湯にさっととおし、表面が白くなったら取り出し、ざるにあげる。
    2. じゃがいもは皮つきのまま半分に切ってゆでるか蒸して、厚いうちに皮をむき、ひと口大に切る。
    3. 大根とにんじんは皮をむき、やや厚めの短冊切りにする。こんにゃくは大根やにんじんと同じ大きさに切り、熱湯にさっとくぐらせて、あく抜きする。油揚げはフライパンで両面を軽く焼き、短冊切りにする。
    4. 鍋に昆布だしを入れ、3の大根とにんじんを入れてから火にかける。やわらかくなったら油揚げ、こんにゃく、1、2を加える。
    5. 酒粕と味噌をボウルに入れ、4の煮汁を少し加えて溶かす。それを鍋に戻し、Aを入れて、さらに軽く煮る。器に盛りつけて、長ねぎを散らす。

    ※酒粕の甘味が足りなければ、みりんを加えるとよい。

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    <料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>

    画像2: 鮭の粕煮

    長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
    東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    ※ ※ ※

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)
    天然生活の本
    『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    A5判
    定価:本体 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08464-6

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