(『天然生活』2015年12月号掲載)
近頃は、家庭で魚をおろす方が少なくなったそうですが、魚料理好きの私としては、なんだか少し、さびしい気がします。「おろすのは難しいのでは?」と感じている方、ご安心ください。この連載を通しておろし方を覚えれば、けっして難しくはありませんよ。
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長谷川弓子
鮭 旬 9〜11月
この時季、川を遡上してくる「秋鮭」が、鮮魚コーナーにたくさん並んでいます。きれいなサーモンピンクの身の色をした鮭は、淡泊な素材ながらも、その中にある良質なタンパク質のうま味を引き出せば、さまざまなおいしい料理に仕立てることができます。
抗酸化作用のあるアスタキサンチンを多く含むといわれている鮭。おいしく食べて、きれいになれる、一石二鳥のお魚ですね。
鮭の粕煮
鮭と根菜がたくさんの、寒い日にぴったりの料理。酒粕と一緒に味噌も加えているので、食べやすい味です。
鮭の切り身に少し多めの塩をふり、しばらくおきます。そのあと、熱湯で霜降りにしてから煮ることで生臭さを除き、鮭のもつうま味が引き出され、おいしい汁に仕上がります。
材料(2人分)
- 生鮭(または甘塩鮭)の切り身 2切れ
- じゃがいも 1個
- 大根 4cm長さ(150g)
- にんじん 4cm長さ(50g)
- こんにゃく 50g
- 油揚げ 1/2枚
- 昆布だし 550ml
- 酒粕 100~120g
- 味噌 18g(大さじ1)
- A
- 塩 小さじ1/4
- 淡口しょうゆ 少々
- 酒 大さじ1/2~1
- 長ねぎ(小口切り) 5cm分
つくり方
- 生鮭は表面全体がうっすら白くなるくらいの多めの塩をふり、10~15分、置いておく。小骨があれば骨抜きで抜き、1切れを5~6等分にする。熱湯にさっととおし、表面が白くなったら取り出し、ざるにあげる。
- じゃがいもは皮つきのまま半分に切ってゆでるか蒸して、厚いうちに皮をむき、ひと口大に切る。
- 大根とにんじんは皮をむき、やや厚めの短冊切りにする。こんにゃくは大根やにんじんと同じ大きさに切り、熱湯にさっとくぐらせて、あく抜きする。油揚げはフライパンで両面を軽く焼き、短冊切りにする。
- 鍋に昆布だしを入れ、3の大根とにんじんを入れてから火にかける。やわらかくなったら油揚げ、こんにゃく、1、2を加える。
- 酒粕と味噌をボウルに入れ、4の煮汁を少し加えて溶かす。それを鍋に戻し、Aを入れて、さらに軽く煮る。器に盛りつけて、長ねぎを散らす。
※酒粕の甘味が足りなければ、みりんを加えるとよい。
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<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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