• 「趣味は、暮らし」と笑う、料理家・横山タカ子さん。日々、保存食をつくり、運針をし、庭の手入れをする、四季とともにある日常を、自分流に、自由に楽しんでいます。それは、遊び心に溢れ、同時にとても美しい。そんな信州の季節に寄り添った、横山さんの四季の暮らしを、ご一緒に、ぜひお楽しみください。今回は、地元長野産の蜂蜜のお話です。
    (横山タカ子・著『信州四季暮し』より)

    甘味をつけたい調理では、いつも鹿児島・喜界島産の砂糖きびから作られた粗製糖を使っていますが、それに加え、地元の長野産の蜂蜜も欠かすことはできません。

    少しの量でも甘味を感じることができるので、いつも一升瓶で購入しています。できれば気温の高いうちに。理由は、広口のガラス器に全部入れ替えておくためです。

    一升瓶では使いづらいうえに、寒くなると固まって、口から出てきてくれません。

    蜂蜜の種類は、なるべく香りの少ないもので、「百花」と書かれていない種類が好みです。

    百花では、どんな花の蜜がどのくらい入っているのかわかりません。香りの強い蜜は、単品でドリンクにする場合はいいのですが、相手の食材の邪魔になることが多いからです。

    たとえば、かぼちゃの煮物の場合、あまり花の香りが強いと、かぼちゃが気の毒です。煮豆も煮てから、お皿の上の豆に蜂蜜を少々添えて食べる方法は、たくさんお砂糖を使わずに、豆本来の味が愉しめてとても体にもいいと自負しています。

    熊のプーさんにならないように、一年にどのくらい蜂蜜を使うのかしらと、器に購入日を記入しています。

    栗の渋皮煮

    画像: 栗の渋皮煮

    材料(作りやすい分量)

    • 栗 1kg
    • 蜂蜜 大さじ6
    • 塩 大さじ1/2
    • 灰(あれば) 大さじ5
    • 水 適量

    作り方

    1. 栗はぬるま湯に1時間浸しておく。
    2. 栗のくぼんだ側の、座(おしりのざらざらした部分)とつるつるした部分の境目に包丁を入れ、中心から頭に向かって固い鬼皮だけをむく。
    3. 鍋に、水1リットル、塩、さらし袋に入れた灰、むいた栗を入れ、弱火で30分煮る。栗がけっして踊らないよう、火加減に注意する。
    4. 新しい水に替え、3の作業を3回繰り返す(塩は最初だけ入れる)。ゆで汁があまり濁らなくなったら、下ゆで完了。
    5. 渋皮から筋を指で静かに取り、きれいに洗う。
    6. 新たな水1リットルで再び静かに煮る。ふつふつとしてきたら、蜂蜜を加える。火からおろし、ひと晩おいて味を含ませる。
    7. 煮沸した瓶に小分けにして入れ、脱気して保存する。冷凍保存も可能。
    画像: 作り方

    りんごと柚子蜂蜜

    画像: りんごと柚子蜂蜜

    材料(作りやすい分量)

    • りんご 中1個
    • 柚子 中1個
    • 柚子の絞り汁 100ml
    • 蜂蜜 大さじ2

    作り方

    1. りんごはよく洗い、芯を除いて皮ごと1cm角に切る。柚子は皮をそぎ、せん切りにする。果肉は薄皮から取り出す。
    2. 清潔な保存瓶に、りんご、柚子の絞り汁、柚子の果肉と皮、蜂蜜を入れる。翌日から食べられる。

    ※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

    大根なつめの蜂蜜

    画像: 大根なつめの蜂蜜

    材料(作りやすい分量)

    • 大根(皮付きのまま1cm角に切る) 200g
    • なつめ(乾燥) 25ℊ
    • 蜂蜜 大さじ4

    作り方

    清潔な保存容器に、大根、なつめを入れて、蜂蜜を注ぐ。翌日から食べられる。

    ※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

    <撮影/本間 寛>

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    料理研究家。長野県大町市生まれ、長野市在住。長年、保存食を中心とした長野の食文化を研究すべく各地に赴き、料理名人から教わる。長野県の特徴でもある、野菜をたっぷりと使った保存食は「適塩」で作り、季節の食材は手をかけすぎず、素材を生かしてシンプルに食べることを信条とする。地元の農作物を広める活動にも尽力。大の着物好きでもある。

    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    天然生活の本
    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    『信州四季暮らし』(横山タカ子・著)

    A5判
    定価 1,700円+税
    ISBN978-4-594-08303-8

    扶桑社より発売中

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