『家仕事ごよみ』より
きんかんのコンポート 一月から三月
きんかんは、皮ごと食べられ、やわらかな苦味と甘味があって美味。皮にはビタミンCがたっぷり含まれています。また、古くから咳やのどの痛みを抑える用途にも用いられてきました。
いまは、温室とハウス、露地の3つの方法で栽培されていますが、最もおいしく、たくさん出回るのは、露地ものが採れる一月から三月にかけて。見た目のかわいさも生かし、おいしいデザートとして楽しみたいものです。食べ方としては甘露煮が一般的ですが、お酒を効かせたコンポートも大人テイストでおすすめ。
「ラム酒ときび砂糖で、香り豊かにこっくりと仕上げます。汁は熱湯で割っていただくのがおすすめです」(藤田みどりさん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● きんかん | 500g |
● 砂糖 | 250~300g |
● ラム酒(あればゴールドラム) | 1カップ |
つくり方
1 きんかんは上下を除いて、包丁で縦に数カ所、切り込みを入れ、つまようじなどで種を取る。鍋に水(分量外・適量)とともに入れて加熱し、一度、ゆでこぼす。
2 1のきんかんと砂糖をホウロウの鍋に入れ、ひたひたの水を注いで中火にかける。沸騰したら弱火にし、あくを取りながら15〜20分、煮る。ラム酒を加えて約10分、さらに煮る。
3 2をあつあつのうちに保存瓶に入れてふたをし、粗熱が取れるまで逆さにする。冷蔵庫で保存する。実はそのままいただき、シロップはお湯で割っていただく。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
藤田みどり(ふじた・みどり)
料理家、画家。多摩美術大学絵画科卒業。英国王立園芸協会会員、北鎌倉湧水ネットワーク幹事、日本美術家連盟会員。北鎌倉の豊かな自然とひと続きの「台所」から生まれるおいしいレシピが人気。著書に『北鎌倉のお庭の台所』(主婦の友社)がある。
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