昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。 今回は、家庭でも手軽にできる「塩麹」のつくり方を、生活評論家の境野米子さんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
塩麴 通年
いま、話題の塩麴。市販品も多く出回っていますが、自家製も手軽にできます。
「使うのは麴、塩、水だけですが、塩が溶けにくいので、まず溶かしてしまいます。できるまで、台所において、一日一回、かき混ぜて酸素を入れて。すると麴の甘さがあるおいしい塩麴ができます。野菜、肉、魚のほか、ゆで卵、豆腐、ゆでたきのこなども漬けるとおいしいですよ」(境野米子さん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● 麴 | 200g |
● 塩 | 50g |
● 水 | 80ml |
つくり方
1 麴は、板状のものはまずブロックに分けてから、小さくほぐしていく。最後は両手のひらですり合わせるように米粒状までほぐす。粒状のものは、固まっているところをほぐし、米粒状にする。
2 沸騰した水をボウルに入れ、塩を加えて溶かす。60℃まで冷ます。
3 麴を2に入れ、よく混ぜ合わせる。ボウルをタオルなどに包んで保温し、2〜3時間、常温におき、さらによく混ぜ合わせる。
4 保存容器(ガラス製または陶製など)に入れ、一日一回、必ず菜箸などでかき混ぜ、常温で熟成させる。夏場は1週間、冬場は2週間が目安。甘い香りがして、麴の芯がなくなり、おかゆ状になればでき上がり。保存は冷蔵庫で、半年ほどで使いきる。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
境野米子(さかいの・こめこ)
生活評論家、薬剤師。東京都立衛生研究所で食品添加物や残留農薬などについて研究。現在は福島県の山里で昔ながらの食を取り入れた生活を送る。近著に『子どもを放射能から守るレシピ77』(コモンズ)などがある。
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