(『天然生活』2017年2月号掲載)
博多の「あの味」を目指しました
おいしい店、うまい料理を探し、ネットの海を漂っていると、ふと行き当たる「ツレヅレハナコ」の名。
ブログやSNSで、おいしい味を発信しつづけて10数年……。とにかく、食べることに手抜きが一切なく、多くの食いしん坊の信頼を得ています。もちろん、料理の腕もセンスもバッチリ。
「具がたくさん入った五目鍋は、あんまりしないんです。素材を絞ったシンプルな鍋が好き。そのほうが見た目も好みだし、なにより準備が楽じゃないですか」
そういって教えてくれたのは、素材最少、すこぶる単純なのに、どっこい分厚い味の濃厚とりスープ鍋でした。
「イメージは、博多水炊きのスープ。家でもできないかと研究しました。本来は強火でとりを煮ることで白濁させるのですが、そうしなくてもOK。食べ進めるうちに、どんどんスープが濃厚に。白菜はくたくたになるまで煮ると、甘味が出ておいしいです」
とり手羽中と白菜のナンプラー煮込み鍋
だしナシなのに、この濃厚さ。肉のこげ目がスープのアクセント。
材料(2人分)
● とり手羽中(大きめ) | 10本 |
● 白菜 | 1/4個 |
● ナンプラー | 適量 |
● 黒こしょう | 適量 |
● ごま油 | 大さじ1 |
つくり方
1 白菜は、白い部分は繊維に垂直に1~2cm幅に切る。葉の部分は、ざく切りにする。
2 土鍋にごま油を入れて火にかけ、とり手羽中の両面にこげ目がつくくらい強火で焼きつける(強火不可の土鍋の場合、フライパンで焼き、土鍋に移す)。
3 かぶるくらいの水(分量外)を加え、ふたをして15分ほど弱火で煮る。スープが白濁してきたら白菜を入れ、くたくたになるまで煮込む。ナンプラーで味をととのえ、黒こしょうをふっていただく。
シメは
春雨
乾燥春雨をスープに投入してグツグツと。とりのエキスをたっぷり含んだ春雨は、これ以上ない、ごちそう。好みで香菜を散らして。
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<撮影/松園多聞 取材・文/鈴木麻子>
ツレヅレハナコ(つれづれ・はなこ)
食と酒と旅を愛する編集者。著書に『ツレヅレハナコのホムパにおいでよ!』(小学館)、『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)ほか多数。
インスタグラム @turehana1
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです