昔から、大切に受け継がれてきた、四季折々の家仕事は、理にかなった、先人たちの知恵の結晶です。今回は、春、一番早く、芽を出す山菜「ふきのとう」を使った、「ふき味噌」のつくり方を、料理研究家の橋本加名子さんに教わります。
『家仕事ごよみ』より
『家仕事ごよみ』より
ふき味噌 二月から三月
春、一番早く、雪国であれば、降り積もった雪の中からちょこんと芽を出す山菜が、ふきのとう。
コロコロと太っていて、つやのあるものが新鮮で、まだ開ききらないつぼみのような形のものが美味とされます。
天ぷらでいただくのはもちろんおいしいのですが、その特有のほろ苦さを生かしてつくる、ふき味噌も覚えておきたい一品です。
「ふきのとうは切るとすぐ変色してしまいます。キレイな緑色を保つには、すぐに水にさらして、あく抜きをするのが大切。炒めるときも短時間でさっと仕上げましょう。また、味噌の種類を赤味噌に替えたり、とうがらしを加えたりと、アレンジを楽しむのもおすすめ。ごはんのおかずにもってこいですよ」(橋本加名子さん)
用意するもの(つくりやすい分量)
● ふきのとう | 80g |
● サラダ油 | 大さじ1 |
● A | |
・味噌 | 大さじ3(60g) |
・三温糖 | 大さじ1 |
・酒 | 大さじ1/2 |
・みりん | 大さじ1/2 |
つくり方
1 ふきのとうの外皮を1〜2枚むき、1cm角くらいの粗みじんにする。切ったらすぐに水を張ったボウルに入れる。
2 1をさらに流水で洗い、水けをしぼる。油を熱したフライパンに入れ、強めの中火で炒める。油がまわったらAを入れ、全体をよくからめる。
3 でき上がり。
<文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/赤井稚佳>
橋本加名子(はしもと・かなこ)
料理研究家、フードコーディネーター、食プロデューサーとしてジャンルを問わない食の提案をしている。著書に、日本の旬を大切にていねいにつくる和食を紹介する『にほんの食ごよみ』(アスキー)などがある。
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