• 東京の、とある町。猫も人も、吸い寄せられるようにやってくる、一軒の家。その小さな居酒屋の名は、猫屋台。今回は、店主のハルノ宵子さんに「鍋もの」のレシピを教えていただきました。
    (『天然生活』2016年4月号掲載)

    [鍋もの]

    楽しい夜も、そろそろ終わり。ひとつの鍋をつつきながら、
    次はまたいつ来ようかと早くも相談が始まります。

    画像: [鍋もの]

    とり鍋

    具材はいたってシンプルに、とりのおいしさを味わいつくすお鍋。
    こしょうをたっぷりふった、〆のうどんがこれまた絶品。

    材料(4人分)

    ● 〈とり団子〉
    ・とりももひき肉300g
    ・とり軟骨(あれば)※1100g
    ・しょうが50g
    ・卵白1個分
    ・しょうゆ小さじ2
    ・塩少々
    ● とりもも肉大2枚
    ● チンゲン菜2株
    ● とりガラスープ※2適量
    ● 稲庭うどん400g
    ● こしょう適量
    ● 〈たれ〉
    ・長ねぎ(白い部分)のみじん切り1本分
    ・しょうがのみじん切り40g
    ・塩大さじ1
    ・紅花油適量

    つくり方

     とり団子をつくる。軟骨はフードプロセッサーで細かくする。とり団子の材料をすべてボウルに入れ、混ぜ合わせる(しょうがはすりおろし、しぼり汁だけを使う)。

     鍋にたっぷりの湯を沸かし、をスプーンにとって落とし入れ、浮いてきたら引き上げる。ゆで汁はペーパーでこして、とっておく。

     とりもも肉は一枚を8等分に切る。チンゲン菜は一枚ずつ葉を外し、熱湯にそれぞれ30秒ほどくぐらせて、水に放って色止めする。

     たれをつくる。器に長ねぎ、しょうが、塩を入れ、ひたひたまで紅花油を注ぐ。

     土鍋に、とりガラスープととり団子のゆで汁を半量ずつ入れ、チンゲン菜を鍋の縁に沿わせるように入れる。とり団子ととり肉を入れて火にかけ、火がとおったものから、たれにつけていただく。

     〆は、かためにゆで上げた稲庭うどんを土鍋に入れて温め、こしょうをたっぷりふる。

    ※1 軟骨が手に入らない場合は、ひき肉400gでつくる。

    ※2 とりガラスープのとり方

     とりガラ1羽分はきれいに洗い、2リットルの水(とりガラがかぶるくらい)とともに大きな鍋に入れる。

     強火にかけ、沸騰したらあくを取り、弱火にして2時間ほどじんわりと煮込んでスープを出す。

     ざるでこしてでき上がり。



    <料理/ハルノ宵子 撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美>

    ハルノ宵子(はるの・よいこ)
    1957年、東京生まれ。吉本隆明の長女として生まれる。漫画家(現在は開店休業中)。2015年から、自宅を改装し、「猫屋台」の店主となり厨房で腕を振るう。無類の猫好き。「猫は、その距離感が心地いいんですよ」。隆明氏との共著に『開店休業』(幻冬舎文庫)。「猫屋台」は予約制。


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