• スペインの女子修道院では、中世のころからお菓子がつくられています。熱心な修道女たちの手によって、吟味され、完成していったレシピは、何世紀もの間、それぞれの修道院に受け継がれてきました。スペイン・マドリードで14年間暮らし、「修道女のお菓子」を求めて各地の修道院を訪ね歩いた、料理家の丸山久美さんに、素朴でしみじみおいしい、スペイン修道院のお菓子レシピを教えていただきます。今回は、「聖ホセのクリーム」と呼ばれ、いまではスペイン全土で愛されているクリーム菓子「Crema Catalana(クレマ・カタラーナ)」のつくり方を。
    (『修道院のお菓子』より)

    聖ホセのクリーム「Crema Catalana(クレマ・カタラーナ)」

    イエス・キリストの養父ホセ(聖ヨセフ)の日、3月19日は父の日でもあります。

    その日の特別なお菓子は、クレマ・カタラーナ

    聖ホセのクリームとも呼ばれ、カタルニア地方で生まれ、いまではスペイン全土で愛されているクリーム菓子です。

    このお菓子にはこんな逸話があります。

    あるとき、司教さまが修道院を訪れ、修道女たちが料理をつくってもてなすことになりました。遅れて訪ずれた司教は大急ぎで食事を進めることに。

    そこで、あわてた修道女たちは、プリンを失敗してしまいます。それでコーンスターチを入れて固めようと試みます。

    司教は待ち切れずデザートを急がせ、修道女たちはまだ冷めていない「プリン」を運ぶことに。

    熱い「プリン」を食べた司教は、あまりの熱さに「やけどするほど熱い!」と叫んだとか。しかし、その味は格別。司教は喜んでやけどしないように上手に食べつづけました。

    それで別名「ケマーダ(スペイン語でやけどした)」とも呼ばれているのだとか。

    Crema Catalana(クレマ・カタラーナ)のつくり方

    画像: Crema Catalana(クレマ・カタラーナ)のつくり方

    材料(直径10cmの器 4個分)

    ● 牛乳300ml + 125ml
    ● シナモンスティック1本
    ● レモン(国産)の皮1/4個分
    ● 卵黄2個分
    ● グラニュー糖大さじ1と1/2
    ● コーンスターチ大さじ1と1/2
    〈仕上げ〉
    ・グラニュー糖小さじ8

    つくり方

     鍋に牛乳300ml、シナモンスティック、レモンの皮を入れ、5分ほど弱火で煮込む。ざるでこしてボウルに入れ、粗熱をとる。

     卵黄、グラニュー糖を混ぜ、に加える。ダマにならないように木ベらで混ぜる。

     別の鍋にコーンスターチ、牛乳125mlを入れて混ぜる。を加え、弱火でとろりとするまで木ベらで同じ方向に混ぜる。器に注ぎ、冷蔵庫で冷やす。

     食べる直前に、グラニュー糖を、ひと皿に対して小さじ2をふり入れる。スプーンをガスの火にがざして赤くなるまで熱し、背を押し付けて、表面を焼く(100円ショップなどで購入した、惜しげなく使えるスプーンを使う)。

    画像: ガスの火にスプーンをあつあつになるまでかざし、背で表面をなでるようにしてグラニュー糖をこがす

    ガスの火にスプーンをあつあつになるまでかざし、背で表面をなでるようにしてグラニュー糖をこがす


    <撮影/清水奈緒 スタイリング/大谷マキ>

    画像: つくり方

    丸山久美(まるやま・くみ)
    料理家。東京生まれ。スペイン家庭料理教室「Mi Mesa」主宰。アメリカ留学後、ツアーコンダクターとして世界各地をまわる。1986年からスペインのマドリードに14年滞在。現地の料理教室に通いながら、家庭料理を学ぶ。この間に、修道院めぐりを始める。帰国後、スペインの家庭料理をベースにしたレシピを紹介。著書に『家庭でつくれるスペイン料理』(河出書房新社)、『週末はパエリャ名人』(文化出版局)、『ひんやりスープ』(誠文堂新光社)など。2020年2月に『修道院のお菓子』が扶桑社より復刊。
    https://www.k-maruyama.com/

    天然生活の本『修道院のお菓子』(丸山久美・著)

    天然生活の本
    『修道院のお菓子』(丸山久美・著)

    素朴でかわいい修道院のお菓子、50品

    天然生活の本『修道院のお菓子』(丸山久美・著)

    B5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08410-3


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