(『天然生活』2016年3月号掲載)
スパムのうま味たっぷり、濃厚なリゾット
ご主人の仕事の都合で、トルコで1年半、暮らしていた高木さん。
「トルコに行く前は、すべて手づくり。缶詰は使ってはいけないものと思っていました。でも、現地で出産をして、料理に手間をかけられず、缶詰はトマト缶しかないのが本当に不便で。帰国して改めて、日本の缶詰の豊富さ、便利さを実感し、使うようになりました」
缶詰のおいしさに目覚めてからは、トマト、ツナ、スパム、コーン、豆、フルーツ、ホワイトソース、デミグラスソースと、さまざまな種類の缶を常備するように。
「スパムはほかに、ゴーヤーチャンプルーやキャベツ炒めにも使います。料理に色味が足りないときにコーンをかけたり、食感が足りないときは豆を加えたりも。焼き鳥缶のタレ味は玉子でとじて、お弁当のおかずに。缶詰は、困ったときのお助けの一品になります」
缶詰を使うときは、ひと手間省ける分、味の決め手になる工程はていねいに、そして、きちんと盛りつけることが大切だといいます。
「たとえばスパムの切り方。小さくきれいに切りそろえると見た目もきれいで、食感も増し、早く味が出やすくなります。缶詰に少し手を加えて自分風にアレンジすれば、それも立派な手づくり。もともとがおいしいものだから、自信をもって出せるようになります」
スパムとブロッコリーのリゾットのつくり方
手抜きだけど…
大きな器に少なめに盛りつけ余白をつくると、よりおいしそうに
冷やごはんを使って、あっという間に完成。ブロッコリーは鍋の上で、はさみでカットすると、さらに時短に。
大きな器に少なめに盛り、おかわり分は鍋のまま食卓へ。本格的に見えるだけでなく、味わって食べるので少量でも満足できるのだとか
材料(2人分)
● スパム缶 | 1/2缶(約100g) |
● ブロッコリー | 2房(約30g) |
● 冷やごはん | 茶碗2杯分(約300g) |
● クリームチーズ | 36g |
● 顆粒コンソメ | 小さじ1 |
● 水 | 150ml |
● 牛乳 | 50ml |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● バター | 5g |
● あればイタリアンパセリ | 適宜 |
つくり方
1 スパムを5mm角に切る。ブロッコリーは小房に分け、細かく切る。
2 鍋にバターを入れて中火にかける。バターが溶けたら1を入れ、1分炒める。
3 2に冷やごはんを加えて炒める。ごはんがほぐれてバターがなじんだら、顆粒コンソメと水を加えて、ひと煮立ちさせる。
4 3にクリームチーズを加える。チーズが溶けたら牛乳を加えて軽く混ぜ、塩、こしょうで味をととのえる。
5 あれば、イタリアンパセリを散らす。
<撮影/安部まゆみ 取材・文/赤木真弓>
高木ゑみ(たかぎ・えみ)
料理研究家・台所改善コンサルタント。おもてなしプランナーとして、「おもてなし教室」を主宰するほか、メディアにも出演。著書に『考えない台所』(サンクチュアリ出版)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです