(『天然生活』2014年8月号掲載)
あじ 旬 4~7月
私は、市場やスーパーの魚売り場で、目が澄んでいて、おなかに「幅」と「張り」があるおいしそうなあじを見かけると、ついつい手を出してしまいます。
刺し身やたたき、油で揚げてフライや南蛮漬けにするなど、さまざまな調理法で楽しめるあじは、調理する側にとって、とてもうれしい魚です。
あじは、魚のおろし方を練習するうえでも最適な魚。
頭を切り落とし、内臓を取り出して、よくおなかの中を洗い、それから、いよいよ三枚におろしましょう。
魚料理をするうえで守っていただきたいことは、調理の前に必ず素材を流水でさっと洗うこと。
そうすることで魚の表面に付着している細菌を流し、清潔にしておいしくいただくことができるのです。
「あじのたたき」のつくり方
新鮮なあじが入手できたら、真っ先に試してほしい一品。身は大きめにたたくと食感が新鮮。
材料(2人分)
● 真あじ(中) | 2尾 |
●〈薬味〉 | |
・しょうが | 1片 |
・長ねぎ | 1/6本(7~8cm分) |
● しそ | 2枚 |
● みょうが | 1個 |
● あれば穂じそ | 2本 |
● しょうゆ | 適量 |
つくり方
1 あじは流水で洗い、三枚におろす(*)。
2 皮をむいたしょうが、ねぎは、みじん切りにする。
3 みょうがは、せん切りにして水にさらし、水けをきる。
4 三枚におろしたあじの腹骨をすき取り、小骨を抜く。肩のほうから皮をはぎ、粗く切ってから、包丁でたたく。
5 4のあじに2の薬味を適量混ぜて、もう一度、軽くたたく。
6 器にしそを敷いてあじのたたきを盛り、つまとして、みょうがと、あれば穂じそを盛り添え、しょうゆを添える。
*三枚おろし
1 指で胸びれを立たせ中骨まで包丁を入れる。裏返して同様に頭を落とす。
2 腹びれを三角に切る。肛門まで包丁を入れて内臓を出し、腹の中を洗う。
3 背側半分を切る。包丁の刃先を中骨に当てながら尾まで切る。
4 腹側半分も同様に切る。付け根近くで、包丁で上下をつなげる。
5 つなげた点から左右に包丁を滑らせて表身を外す。裏身も同様に外す。
6 包丁をねかせて腹骨をすき取る。端は刃を立てて切り落とす。
7 小骨を頭のついていた方向に引き抜く。頭の付け根の骨も忘れずに取る。
8 人さし指と中指で身を押さえ、頭側から、皮を引く。
<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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