(『天然生活』2014年11月号掲載)
いか 旬 7~11月
いろいろな料理法で楽しめる「いか」は、思わず「いかようにでも」といいたくなるほど便利な、おなじみの食材です。
日本近海で100種類以上もあるといういかのなかから、今回は「するめいか」を選びました。
「いかめし」は、北海道の郷土料理。いかの脚、はらわた、甲を取り、ひと晩、水につけたもち米を詰め、蒸してから煮汁で煮ていきます。
もち米が膨らんでむっちりとしたいかの姿は、なかなかチャーミングなもの。脚も細かく切り、もち米と一緒に混ぜ込めば、切ったあとの見た目に、華やかさが増します。
ただし、いかに詰め込むもち米の量は、6割程度を目安に。そうでないと膨らみすぎて、いかの皮が破れてしまうこともありますので、ご注意ください。
あつあつでも、冷めても、おいしいのが魅力です。
「いかめし」のつくり方
大人も子どもも好きな、いかめし。もち米がぎっしりと詰まってボリュームがある一品です。
材料(2本分)
● するめいか | 2杯 |
● もち米 | 1/2カップ |
● しょうが | 10g |
● A | |
・だし汁 | 2カップ |
・しょうゆ | 大さじ3 |
・みりん | 大さじ2 |
・砂糖 | 大さじ2 |
● 薄口しょうゆ | 小さじ2 |
● あれば、しょうがの甘酢漬け | 適量 |
つくり方
1 いかは表面を水でさっと流し、胴から頭足部を内臓ごと引き抜く。胴の中の細い軟骨を抜き、水洗いする(*)。
2 もち米は洗い、ひと晩、水につけておく。翌日、水けをきり、ボウルに入れて薄口しょうゆをかけ、混ぜ合わせてしばらくおいたあと、汁けをきり、せん切りにしたしょうがと、1杯分のいかの脚を5mm幅に切ったものを混ぜ合わせる。
3 いかの胴の中に2のもち米を詰め(6割程度)、ようじで留めて、湯気の立った蒸し器に入れて約40分間、強火で蒸す。
4 Aを火にかけ、ひと煮し、3のいかと残りの脚を適当に切って入れ、落としぶたをして20分ほど煮る。
5 いかめしを切り分けて器に盛りつけ、いかの脚と、あれば、しょうがの甘酢漬けを添える。
*いかのさばき方
1 胴の中に指を入れ、脚との接合部分を外し、内臓ごと脚を引っ張る
2 胴の中にある軟骨を外し、残った臓器を取り出し、胴の中をよく洗う
3 目の上の内臓の付け根あたりに包丁を入れて内臓を切り外す
4 目の間に包丁を入れて、目玉を外す
5 脚の付け根にあるかたいくちばしを外す
6 包丁で平らにそぐ
7 吸盤に包丁を当て、脚を引っ張って吸盤を取る
8 脚の先を切る
<料理・スタイリング・文/長谷川弓子 撮影/川村 隆>
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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