(『天然生活』2013年10月号掲載)
[とり肉とチンゲン菜で]
温かく
蒸しどりとチンゲン菜のごま酢がけ
淡泊な味わいのとりむね肉を、濃厚なごまだれでいただきます。ふっくら蒸し上がった、チンゲン菜のおいしさも格別。
材料(2人分)
● とりむね肉 | 1枚 |
● チンゲン菜 | 2株 |
〈ごまだれ〉 | |
・白すりごま | 大さじ2 |
・砂糖 | 大さじ2 |
・白練りごま | 大さじ1 |
・酢 | 大さじ1 |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・ゆずこしょう | 小さじ1/4 |
つくり方
1 とり肉は軽く塩と酒(ともに分量外)をまぶし、耐熱皿などに入れ、湯気の上がった蒸し器に入れ、10~15分蒸す。チンゲン菜は根を落として縦に2~4等分に切り、蒸し器に入れて5~10分蒸す。
2 ごまだれの材料すべてをボウルに入れ、よく混ぜる。
3 器にチンゲン菜を円状に盛り、その上に薄切りにしたとり肉をのせ、2をかける。
冷たく
蒸しどりとチンゲン菜の塩だれあえ
きゅうりの小気味よい歯ごたえがアクセントに。とり肉も包丁で切るより手で裂いたほうが、食感を楽しめます。
材料(2人分)
● とりむね肉 | 1枚 |
● チンゲン菜 | 2株 |
● きゅうり | 1/2本 |
〈塩だれ〉 | |
・長ねぎ | 7~8cm |
・しょうが | 1片 |
・ごま油 | 大さじ1 |
・塩 | 小さじ1/4 |
・ゆずこしょう | 小さじ1/4 |
つくり方
1 とり肉とチンゲン菜は、上工程1と同様に蒸し、粗熱を取る。きゅうりはせん切りにする。
2 長ねぎは粗みじん切りにする。しょうがは皮をむき、みじん切りにする。ボウルに塩だれの材料すべてを入れ、よく混ぜる。
3 とり肉は手で細かく裂き、チンゲン菜はざく切りにし軽く水けをしぼる。2にとり肉とチンゲン菜、きゅうりを加え、あえる。
◇ ◇ ◇
夏から秋への季節の変わり目は、暑さで台所の火の前に立つのがおっくうになる日が続きます。そんなときは「蒸し料理」がおすすめ、と飛田和緒さんはいいます。
「蒸し料理は、材料を切って、せいろや蒸し器に入れさえすれば、あとは、つきっきりで見ていなくてもいいので、とても楽な調理法なんです。しかも、お肉やお魚を蒸す場合は、たっぷりの野菜も蒸し器の中に一緒に入れれば、栄養バランスのよい一品が完成。これに、ごはんと汁ものを合わせれば、立派な食事になるんですよ」
今回は、同じ材料を使って、「蒸したてのあつあつをいただくおいしい食べ方」と「冷ましてから調理する冷たい食べ方」、ふたつの調理法を教えていただきました。
その日の体調や気温、組み合わせるおかずなどで判断して、どちらか片方を選んでもいいですし、多めに蒸して、その日は温かい料理、翌日は冷たい料理、というように、続けて楽しんでもいいでしょう。
ところで、蒸し料理というとせいろや蒸し器がないとできないと考えている人もいるのでは?
「ふたのある大きな鍋にお湯を張り、中に高さのある耐熱皿を入れたり、金属製のざるなどを伏せて入れて、その上に耐熱皿をのせて代用したりすることもできるので、気軽に試してみてください」
いったん蒸し料理に慣れてくると、そのおいしさのとりこになる人も多いようです。
「湯気によって潤った状態で加熱ができるので、食材がパサつかず、しっとりふっくらした状態で仕上がります。逆に余計な水分も入らないから、素材本来のおいしさがぎゅっと際立つ効果もあります」
お肉などは余分な脂が落ちるのでヘルシーですし、野菜のビタミンなどの栄養素も煮たり焼いたりするのと比べて失われにくいという利点もあります。
材料を切って蒸すだけの、蒸し料理。逆にいうと、調理のコツは、切り方と蒸し時間の調節のみ。
火が均一に入ることが大切なので、素材は大きさをそろえて切るのが鉄則です。さらに、素材によって火の入る時間がまちまちなので、蒸し器に入れるタイミングをそれぞれ調整することがポイント。
「レシピに書いた蒸し時間は、あくまで目安。素材の大きさやかたさ、鮮度などによっても大きく変わってきます。食感の好みもあると思うので、途中、竹串などを刺したりして、必ず確認しながら火を入れるようにしてくださいね」
〈料理/飛田和緒 撮影/kumonmiwa スタイリング/久保原惠理 取材・文/田中のり子〉
飛田和緒(ひだ・かずを)
日々の家庭の味を大切にした、シンプルなおいしさを追求するレシピが人気。雑誌、書籍、テレビなど幅広く活躍。著書に『常備菜』(主婦の友社)、『飛田和緒の甘くないおやつ』(角川マガジンズ)など。2020年11月に『くりかえし料理』の新装版 が扶桑社より発売。
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※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです