(『天然生活』2016年2月号掲載)
手巻き寿司は、自由に気兼ねなく
ごはんの量も具のセレクトも、みずからの裁量ひとつ。
「手巻きは自由な分、遠慮のない間柄で楽しみたいですよね。『続けてまぐろばかり食べて、申し訳ない』とか、余計な気遣いなしで」
教えていただいた手巻き寿司、具のバリエーションの華やかさに目がいきがちですが、実は、おいしさのキーは、ごはんです。
「今回、すし酢には酢を使っていますが、柑橘やワインビネガーなどに置き替えると、味わいがまったく変わります。また、すし飯=酸味、とこだわらず、オリーブオイルやごま油、チーズなど、テーマに合わせて、ごはんにもひと手間加えると、おいしさにいっそう深みが加わりますよ」
さらに、小皿には、しょうゆのほかに、オイルや塩、ゆずこしょうなど数種類を用意すれば、飽きずに、いくらでもおなかの中へ。
ときには、欲張りすぎて具がはみ出したり、隣の人の絶妙な具の組み合わせに驚いたり。そして意外に、巻く人の個性が出るのも面白い。
親しい人とはもちろん、仲よくなりたい人とも、ぜひ一緒にいただきたい手巻き寿司です。
王道手巻き寿司のつくり方
まぐろとたいのお刺し身は、手巻きの定番。
ちょっぴり酸味を利かせた、特製しょうゆジュレを巻き込んで。
材料(4人分)
● 炊きたてのごはん | 2合分 |
〈すし酢〉 | |
・米酢 | 大さじ3 |
・砂糖 | 大さじ3 |
・塩 | 小さじ2 |
● のり(全形を1/2に切る) | 20枚 |
〈具〉 | |
・まぐろ、たいの刺し身 | 各100g(8~10切れ) |
・しそ | 10枚 |
・きゅうり | 1本 |
・貝割れ菜 | 1/2パック |
・たくあん | 50g |
〈しょうゆジュレ〉 | |
・水 | 大さじ3 |
・レモン汁 | 大さじ1 |
・しょうゆ | 大さじ3 |
・粉ゼラチン | 小さじ1(ごく少量の水でふやかしておく) |
つくり方
1 しょうゆジュレをつくる。鍋にゼラチン以外の材料を入れて弱火にかけ、ゼラチンを加える。ゼラチンが溶けたら火からおろし、容器に入れて冷蔵庫で2時間ほど冷やす。固まったらフォークなどで粗くほぐす。
2 酢飯をつくる。ボウルに炊きたてのごはんを入れ、よく混ぜ合わせたすし酢の材料をまわしかけ、手早く混ぜ合わせる。余計な水分をとばし、人肌まで冷めたところでかたくしぼった濡れぶきんをかけ、1時間ほどおいて味をなじませる。
3 しそは半分に、きゅうりとたくあんはせん切りにする。貝割れ菜は根を落としてほぐす。刺し身は巻きやすいように薄切りにする。
4 のりに、ごはんと好みの具材、しょうゆジュレをのせ、巻く。
※ごはんは、すし酢などを混ぜたら余計な水分をとばし、人肌まで冷めたところでかたくしぼった濡れぶきんをかけ、1時間ほどおいて味をなじませること。
〈料理/しらいのりこ 撮影/川村 隆 スタイリング/久保原惠理 取材・文/福山雅美〉
しらい・のりこ
炊飯系フードユニット「ごはん同盟」キャプテン。飲食店勤務ののち、米穀店にて研鑽を積む。「おかわりは世界を救う」の理念のもと、お米にまつわるイベントや料理教室を開催。
https://gohandoumei.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです