(『天然生活』2016年9月号掲載)
じっくり火を入れる間に、心ゆくまで読書の時間
主婦歴40年以上の坂井さん。
おいしく、栄養バランスもとれているけれど、余計な手間はさらりと省く、そんな料理ならお手のものです。
子育てに追われる日々を過ごしていると、ひとりの時間をつくり出すのは、ひと苦労。
そんな暮らしのなかで誕生したレシピは、いま思えばまさに、“読書しながらつくる” のにうってつけ。
「わが家は人数が多いので、大鍋でつくるお料理が多いんですよ。材料をぱーっときざんで、あとは煮込むだけ。加える素材も決まっていなくて、旬のものを、適当に」
読書しながらつくる料理のポイントは、火のとおり加減を気にせず、クタクタになるほどおいしさが増すようにすること。
読書に没頭すればするほど、絶品に仕上がる仕組みです。
家にこもって読書三昧でいたい雨の日も、わざわざ買い物に出る必要はありません。
家にある野菜を鍋いっぱいに放り込み、のんびりページをめくりつつ、火にかけていればいいのです。
ラタトゥイユのつくり方
旬の野菜をザクザク切って、野菜の水分を上手に使って煮込みます。
ショートパスタにかければ、読書しながらのランチにも。
材料(つくりやすい分量)
● しいたけ | 4~5個 |
● にんじん | 1本 |
● なす | 4本 |
● ズッキーニ | 1本 |
● パプリカ | 1個 |
● 玉ねぎ | 1個 |
● にんにくのみじん切り | 1片分 |
● トマトの水煮缶 | 1缶 |
● 固形スープの素(キューブタイプ) | 2個 |
● オリーブオイル | 大さじ3+大さじ2 |
● A | |
・オレガノ、バジル(ドライでもフレッシュでも) | 各大さじ1 |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・塩、こしょう | 各適量 |
つくり方
1 しいたけは石づきを切り落とし、4等分に切る。にんじんは5mm厚さのいちょう切り、なすとズッキーニはところどころ縦に皮をむき、2cm厚さの半月切りにする。パプリカと玉ねぎは2cm角程度に切る。
2 厚手の鍋にオリーブオイル大さじ3とにんにくを入れ、香りが立つまで炒める。なすを加えて炒め、さらにオリーブオイル大さじ2を足し、残りの野菜を炒め合わせる。
3 トマトの水煮缶と固形スープの素を加え、ふたをして野菜がやわらかくなるまで弱火で煮込む。Aで味をととのえる。
〈撮影/kumonmiwa 取材・文/福山雅美〉
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川・葉山市在住。自宅で料理教室を30年間、続けたあと、近年では、暮らしの知恵を交えた語りが好評を博し、若いお母さんたちのために、お話しの会を開催。著書に『暮らしをつむぐ』(技術評論社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです