ロマンチックなローズマリーで優雅な気分に
先日こぼれ落ちたラベンダーの蕾を掃除機で吸い取ったら、掃除機を使うたびにラベンダーの香りに包まれました。掃除機の種類にもよるとは思いますが、楽しく掃除をしたい方は試してみて下さいね。
読者の皆さま、こんにちは。
今回は「ハーブってどうやって使うの(前編)〜ローズマリー茎1本で香りを生活に取り入れる〜」というテーマでお話しします。
「若返りのハーブ」、「永遠の愛の象徴」、「海の雫」ともいわれ、ロマンチックなイメージが多いローズマリー。
枯れにくい、育てやすい、使い勝手があるという、手軽なガーデニンング要素もあって、多くの方に育てられているハーブの一つです。
ローズマリーの使い方は、自身もよく相談を受けます。
よく育つ植物で、大きく成長しやすいので、剪定※(せんてい)の際に大量に余ってしまい、捨てるのが忍びないという相談です。※樹木の余分な枝の除去作業のこと
たくさん収穫した際は、「リースやスワッグにしたり、乾燥させて保存したり、オイルにつけて保存するとよいよ」とお伝えしています。
でも、もし毎日1本ずつローズマリーを使えたら、剪定の作業も省けますし、一石二鳥ですよね。
そこで、ローズマリーに少し手間を加えるだけで、優雅な気分になれる方法をご紹介したいと思います
ローズマリーの浸出液をつくりましょう
「浸出液」という言葉を聞くと、何か難しそうと感じてしまうかもしれません。
いやいや大丈夫。実はお湯を注ぐだけなんです。
その「簡単に作れる浸出液で、こんな楽しみ方ができるよ」というお話をしようと思います。
では、まずは浸出液の作り方です。
準備するもの
◎ よく洗ったローズマリー | 10〜15cmくらいの茎1本 |
◎ 熱湯 | 適量 |
◎ マグカップ |
つくり方
1 マグカップにローズマリーを入れて、ローズマリーが浸るまで熱湯を注ぐ
2 5分ほど待つ
3 完成
ローズマリーの浸出液を使ってみましょう
さて、浸出液ができたところで、使い方のご提案。
ローズマリーの成分をうつした浸出液は、
・入浴剤としてお風呂に入れる
・手桶で適温に薄めて手浴/足浴する
・1〜2Lの水で薄めて飲用に利用する
などの利用が可能です。
冬の間はお風呂での利用がよいでしょう。ローズマリーは血行促進に役立つそうで、身体を温めてくれます。
手浴や足浴は、自宅での気分転換におすすめ。
2020年の緊急事態宣言による自粛の際は、外出を控えてストレスを抱えてしまった方々に、手軽にローズマリーの香りを楽しみながら、体と気持ちをほぐすことができる手浴や足浴がとても人気でした。
ローズマリー水は、夏の間の水分補給に利用すると、心地よい爽快感を楽しめます。
以前、カフェをやっていた際に、お水の代わりこのローズマリーウォーターを提供したところ好評でした。
さらに、カットした果物を入れたら、デトックスウォーターの完成です。
ポイントは、香りが残るか残らないかくらいまで薄めること。薄めの風味が飲み心地を誘いますよ。
ローズマリーで貴族のような目覚めを
じっくり時間をかければ、水出しでも浸出液は作れます。
基本的にハーブの成分を水出しで抽出する目安は7〜8時間。タンニンの抽出が抑えられるので、風味や香りがまろやかな浸出液となります。
使い方の例としては、夜寝る前に手桶にローズマリーの茎を1本入れておいて、朝そのローズマリーウォーターで顔を洗うのがおすすめです。
ローズマリーは脳の活性化や肌を引き締めるのに役立つといわれていて、朝のリフレッシュに最適。
ローズマリー香る、さわやかな目覚めは「神話時代の貴族の朝支度」を彷彿させ、ちょっと優雅な気分を体験できます。
香りが物足りなく感じる方は、少しずつローズマリーの本数を増やしてみて下さい。
ただ、香りに慣れる前に大量のローズマリーで香りづけしてしまうと、逆に不快に感じてしまう可能性があるので注意して下さいね。
その他にも、ローズマリーの茎1本あれば、
・ペットボトルのお水に茎をそのまま一本入れる
・シャンパンやお酒のマドラーに使う
など、使い勝手が豊富なので、是非一度お試し下さい。
ハーブを浸す(infusion)
さて、これまでに「浸出液」という言葉をたくさん使ってきました。
これは、ハーブの成分を“浸す(infusion)”という手法を利用したハーブの楽しみ方です。
ハーブティーに代表されるように、お湯などに浸してハーブの成分を抽出する方法で、1番手軽なハーブの使い方です。
ハーブは加熱する事で香りがでるので、お湯での浸出がオススメですが、まろやかに仕上げたい時は水出しでお試し下さい。
「時間をそんなにかけたくないけど、ハーブでなんかできたらいいな」という方は、まずこのやり方がおすすめです。
ちなみに入浴剤やハーブウォーター、洗顔水は他のハーブでも代用可能です。
個人的にはローズマリーが適度な爽快感と香りで好きですが、ミント系のハーブ(コモンセージ)やレモン系のハーブ(タイム等)でも応用できるので、手元にこれらのハーブがある方は是非やってみて下さいね。
次回の後編では、ハーブの成分を利用する、もう2つの方法お話ししようと思っています。
それでは素敵な1日を!
小川 穣
AGRU代表・NPO日本コミュニティーガーデニング協会会長。
ハーブ・果実の生産及び収穫や加工品の販売を行いながら、暮らしに役立つグリーン・食関連の地域プロジェクトや農やハーブに関する講座の講師として活動している。
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