薬とまではいかないけれど、心強くなる存在の「食サプリ」をご紹介。今回はエッセイスト・青木美詠子さんのお話です。
(『天然生活』2017年5月号掲載)
口にするものは、なるべく“確かなもの”を
冷えとりを続けて20年以上。料理には、“体を冷やす”とされる砂糖を使うことはなくなりました。甘味は、みりん、そしてはちみつを使っています。口にするものは、なるべく“確かなもの”でありたいというのが、青木さんの考え方。
[のどが痛いとき] しょうがとすだちのはちみつお湯割り
「はちみつといっても、いろいろなんです。安価なものも出まわっていますが、水あめやブドウ糖が添加されていたり、高温加熱、精製処理がされていたり。選びたいのは、余計な手が加えられていない、天然のはちみつです」
蜂が運んできたそのままを容器に詰めたのが、純粋はちみつ。のどが痛いときに飲むのは、その殺菌効果を期待するがゆえ。ちょっとした傷くらいなら、はちみつを直接ぬっておけば大丈夫というくらい、効果抜群なのです。
しょうがのすりおろし大さじ1、はちみつ大さじ2、すだちのしぼり汁4個分をティーカップに入れ、熱湯を注ぐ。ひと口飲んで、のどの奥がポッと熱くなるのが、“効いている感じ"。しょうがの消炎効果とはちみつの殺菌効果を期待する一杯。すだちに限らず、季節の柑橘を添えてビタミンCを足すのも忘れずに。
[胃の調子が気になるとき] バターの代わりに、えごま油
なんとなく胃が重い。そんなときは、“体を冷やす”とされ、好きだけど、食べすぎると調子が悪くなるバターは食べません。代わりに、少量のえごま油を。
「さらりと軽く、それでいて満足感があります。オリーブオイルよりも風味が強くないので、食べやすいのもいいんですよ」
栄養価の高さで知られるえごま油ですが、その栄養素は熱に弱いのが困ったところ。けれど、こんなふうにトーストと合わせるのなら、大切な成分も損なわれません。
しそ科の植物、えごまの種子から採れる油。脳の神経細胞に必要な栄養素とされる必須脂肪酸「オメガ3脂肪酸(α−リノレン酸)」を豊富に含む。加熱すると栄養素が損なわれるため、小皿に別添えにし、パンをひたしながらいただく。ほのかな風味で食べやすい。良質な油を適量とることは、健康のためにも大切。
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〈撮影/村林千賀子 取材・文/福山雅美〉
青木美詠子(あおき・みえこ)
エッセイスト、コピーライター。『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』(KADOKAWA)をはじめ、20年以上になる冷えとり生活に関する著書も多数。近著は『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)。自然素材中心に建てた家づくりを綴っている。
http://www.aokimi.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです