薬とまではいかないけれど、心強くなる存在の「食サプリ」をご紹介。今回はエッセイスト・柳沢小実さんのお話です。
(『天然生活』2017年5月号掲載)
毎日欠かせない食べものと、不調のときのとっておき
[造血効果あり] なつめ
健康のために続けているのは、一日1~2粒のなつめ。薬膳の先生に教わってから、欠かさなくなりました。
「女性は35歳以上になると、血が増えなくなるようです。血が少なくなると、活力がなくなり、爪や髪の毛にも影響があるのだとか。忘れないように、目につくところに置き、毎日食べています」
鉄分、カルシウム、カリウム、マグネシウム、食物繊維などを豊富に含む。造血作用があることで、冷え解消にも効果が。食べる時間はとくに決めてはいないけれど、小皿に入れて食卓にのせておき、忘れないように一日に1〜2粒を食べる。台湾で有機栽培のものを買ってきているが、食べきったときは、国内で調達。
[風邪かな、と感じたとき] 出西しょうが湯
そんな予防系以外にも、体調を崩したときのとっておきが、ふたつ。のどの調子がおかしい、寒けがする……そんな、「今日、ここで過ごし方を間違えたら風邪まで一直線」な日に登場するのは、しょうが湯。ふうふういいながら、これを飲み、早めにベッドへ。
これまでさまざまな「しょうが湯」を試してきたけれど、いまは「出西しょうが」を使ったものがお気に入り。島根県名産の出西しょうがと国産ビートグラニュー糖、国産馬鈴薯でんぷんのみでつくられている。とろりとした口あたりがやさしく、飲み終わったあとに、しょうがのさわやかな辛味が残る。
[体調が悪いとき] 参鶏湯
こんな手当てをしたにもかかわらず、いよいよ本格的に体調が悪くなってきたなら、あつあつの参鶏湯で、体を内側から温めて。
「もちろん、体調が悪いのに一からスープを煮出すことはできませんから、レトルトですが。体力的に余裕があれば、とり肉やねぎも一緒に煮込みます。フラフラで食欲がないときには、とりあえずスープだけをいただいて、とにかくたっぷり睡眠をとります」
とり肉ベースの濃厚な白湯スープ。高麗人参を利かせ、しょうが、ごま、にんにくなど、体を温める滋養の高い素材をブレンドしているので、一杯飲むと体が内側から温まっていき、栄養がいきわたっていくのがわかる。とりコラーゲン入りで、美肌効果も期待できそう。「モランボン」のもの。
ちょっとした不調なら、これで翌朝には万全。最近、お医者さんにかかることが減ったのは、やはり日々、続けている、なつめのおかげかも? とも思っています。
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〈撮影/村林千賀子 取材・文/福山雅美〉
柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
エッセイスト 衣・食・住・旅・台湾にまつわる著書多数。 身軽な暮らしをめざして、整理収納アドバイザー1級を取得。 最新刊は読売新聞連載をまとめた「おうち時間のつくり方」(だいわ文庫)。
インスタグラム: tokyo_taipei
note: https://note.com/yanagisawakonomi
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです