アルコールがない場合は、精油を使ってハンドジェルをつくりましょう
前回ご紹介したハンドジェルは、無水エタノールを最低限のアルコール度数に調整することで、ローズマリーの香りとともに使用いただくものでしたが、今回は、アルコールがない場合に、精油、ローズウォーター、オリーブ油と市販の「ジェルベース」を使って、お肌の潤いを逃さないハンドジェルをご紹介したいと思います。
市販のジェルベースのこと
ジェルベースとは、手作りのジェルを作るための材料で、アロマテラピー専門店やオンラインショップなどで入手することができます。
カルボマーという成分が主成分で、水やアロエエキスなど入ったものが多く、最低限の保存料が入っている分、腐敗の心配がなく安心です。
また、用途に合わせた精油を入れて、混ぜて使えるのがおすすめの理由です。
ローズウォーターのこと
バラの花びらを水蒸気蒸留した時、精油と一緒に得られるものがローズウォーターです。
バラの精油は高価ですが、バラの芳香の中心となる成分に水に溶けやすいものがあり、精油とはまた少し異なる、素晴らしいバラの香りが楽しめます。
水に溶け込んだバラの香りは、穏やかで柔らかく幸せな気持ちにさせてくれます。精油とは違って、二の足を踏むことなく、入手できますし(笑)、そのまま化粧水としてもお使いになれるので、1本あると便利です。
オリーブ油のこと
オリーブ油は、食用と化粧用があります。
基本は家にあるもので作ることができればという思いがあるので、皆さんのキッチンにある食用オリーブ油をお使いいただければと思います。
とはいえ、お肌に使うので、出来上がりのものをパッチテスト(※)してからお使いくださいね。
※パッチテストとは
初めて化粧品を使うときは、二の腕の内側に少量をつけて、赤み・かゆみ等が生じないか確認をします。
精油のこと
今回のジェルは、アルコールを使用しないので、精油の持つ力を期待して使っています。
以前、ご紹介したマスクスプレーにおすすめの精油で、ティートリーとラベンダーについて触れさせていただきましたが、今回もこれらの精油に活躍してもらいます。
ティートリー
アロマの歴史において、第二次世界大戦中に負傷の手当てや、術後の感染症予防に使われた事例もある精油。抗菌・抗ウイルスというと真っ先に思い浮かべる精油です。
ラベンダー
古代から「薬用」として用いられてきた植物。心と体の鎮静作用や抗菌作用に期待して、ティートリーと合わせて選びました。
ここにローズウォーターの香りが加わることで、ティートリー特有の薬っぽい香りが穏やかに包まれるような、ホッと寛げるような全体の香りに仕上がります。
市販のジェルベースを使った、ハンドジェルのつくり方
材料(出来上がり30mL分)
◎ ジェルベース(*1) | 35mL |
◎ ローズウォーター | 10mL(小さじ2) |
◎ オリーブ油 | 小さじ1/2 |
◎ ラベンダー精油 | 2滴 |
◎ ティートリー精油 | 4滴 |
◎ チューブタイプの容器(*2) |
*1:オンラインショップ等で購入可能です。「ジェルベース、手作りコスメ」で検索してください。今回は、フレーバーライフ社のジェルベースを使用しています。
*2:無印良品で購入しました。
つくり方
1 ジェルベール10gをビーカーに計りとる。
2 1にローズウォーター20mLを加えてよく混ぜる。
3 別のビーカーにオリーブ油を10mL(小さじ2)を入れ、そこに精油(ラベンダー2滴とティートリー4滴)を加えてよく混ぜる。
4 3を2に入れて、ガラス棒でよく混ぜ合わせる。
5 チューブタイプの容器に入れて完成。
チューブタイプの容器は、入れる時に少し手こずりますが、携帯に便利なのでおすすめです。
入れる時のポイントは、容器の腹部分を指で押してから離すと口部分でモタモタ詰まって、中に入りにくくなっているジェルが、底の方に入っていきやすくなります。
こまめに繰り返しながらジェルをチューブ容器に入れてみてくださいね。
次回はよもぎを使ったスキンケア品で、バーム作りをご紹介しますね。
どうぞお楽しみに。
末吉 真由美(すえよし まゆみ)
暮らしの植物アロマケミスト/恋する石けん®︎研究家
(公社)日本アロマ環境協会資格認定校フェールマヴィ校長
日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト
家族と暮らしのハウスキーピング品やコスメ、恋する石けんワークを通して地域で生き生きと活躍する女性を増やすことが使命。
●ウェブサイト:フェールマヴィ
https://fairemavie.com
●Instagram:@fairemavie.mami
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