藍の生葉を使って、藍染をしてみませんか?
蝉の鳴き声、入道雲、蒸し暑さ。歳をとればとるほど、夏に郷愁を感じます。
とはいえ、日本の夏の暑さはハーブには少し強め。熱帯原産のハーブでも直射日光に当てると弱ってしまうことがあります。日差しの強い所でハーブを育てている方は、少し風通しをよくしたり、日陰を作ってあげるとよいと思います。
そんな暑い最中にピークを迎えるハーブが藍。この暑い時期、藍の染色は涼しげな色で気分を鎮めてくれます。今回は手軽にできる「藍の生葉染め」のご紹介です。
藍について
藍草には、たで藍/タデ科、インドアイ/マメ科、琉球藍/キツネノマゴ科、ウォード(ホソバタイセイ)/アブラナ科など、様々な種類があります。今回は一番手に入りやすく、栽培しやすい「たで藍」を使います。
インディゴについて
藍の持つ成分は、空気や水に触れることでインディゴ(青く染まる成分)に変化します。この成分は、やけど、腫れ物、虫刺され、扁桃腺炎、咽頭炎、口内炎などへの効果が期待できます。
藍の生葉染めの方法
材料
◎ 染める生地 | |
◎ 藍生葉 | 染める生地と同量もしくは2倍 |
◎ ボウルもしくは寸胴鍋 | |
◎ 水 | 藍の10〜20倍の量 |
◎ ミキサー | |
◎ オキシドール | |
◎ ゴム手袋 |
手順
1 藍の生葉(葉のみ)に10〜20倍の水を加えてミキサーにかける。葉が多ければ、何回かに分けて繰り返す。ゴム手袋をして、漉し布で葉を漉し、染液をつくる。
2 染液に布を浸して、布全体に染み渡るように布をくゆらす。15分間浸す間に布を広げ、空中でなびかせ酸化させる。
※ 藍の成分は空気に触れると酸化して青く発色します。発色した後では生地に色がつかないので、発色する前に、生地に染液を染み込ませるようにして下さい。
3 布を絞り、過酸化水素水液に10分間つける。
※ 過酸化水素水液につけることで、発色の促進と色止めの効果があります。分量の目安は、水1Lに対してオキシドール50ccです。生地が全部浸る分の水量をご用意下さい。
4 布を水洗いして水気をとり、天日干しする。
*生葉染は花が咲く直前の7月末頃がおすすめ。花が咲いた後の8月上〜中旬でも色は十分でますが、色の濃さに違いが出る場合があります。
最後にちょっとだけ雑学を。
草木染めの色はタンパク質に付着するので、動物繊維のシルクやウールは濃く染まりますが、麻や木綿といった植物繊維には色がつきにくいです。植物繊維をしっかり染めたい場合は、染める前に濃染剤や豆乳などにつけてから染めるとより濃く染まります。
藍の染液や素材が少しずつ青に変化していく過程は、何度やっても見ていて爽快でワクワクする作業。植物の色で暑さを忘れてみるのもおすすめです。
それではハーブで素敵な1日を!
小川 穣
AGRU代表・NPO日本コミュニティーガーデニング協会会長。
ハーブ・果実の生産及び収穫や加工品の販売を行いながら、暮らしに役立つグリーン・食関連の地域プロジェクトや農やハーブに関する講座の講師として活動している。
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