(『天然生活』2013年3月号掲載)
“ほんまもん” のフルーツを生かす味
輝くような色つや、粒ぞろいの宝石のようなフルーツが並ぶ「ツルザワ」。
昭和24年の創業時は長屋が建ち並ぶ商店街にあり、平成元年の再開発で駅前ビル内に入った現在も地元で愛されつづけています。
三代目の店主・鶴澤哲太さんのアイデアで木のぬくもりを生かしたカフェが併設され、ゆったりとフルーツを楽しめる場所に。訪れる人の多くがフルーツサンドを注文するそう。
「うちは果物屋だから、あくまでも主役はフルーツ。サンドイッチも、新鮮なフルーツをおいしく食べていただくためにおつくりしています。最大の秘訣は、やっぱり食べ頃を見極めること、に尽きますね」
特注で薄く切ってもらっているというパンに、はさむ生クリームの量は最小限。フルーツの味わいが濃厚なので、余分な甘味を足す必要はありません。
いちご、キウイ、パイナップル、パパイア、バナナという5種類のフルーツは大きめのサイズにカットされ、切り分けた断面の美しさは、食べるのがもったいないと感じるほど。
お店のキャッチフレーズは「“ほんまもん” のフルーツを楽しむ」。
ひと口かじると、ふんわり、じゅわっ。
甘くジューシーな果汁とともに、果物屋さんならではのフルーツへの深い愛情、そして自信とがあふれ出すようです。
ツルザワのフルーツサンド
おいしい法則
1 フルーツの食べ頃を厳しく見極める
食べ頃の見極めが、最大にして唯一のコツといっても過言ではないそう。色つや・手触りから判断し、完熟したものを厳選。
2 クリームは最小限に、自然の甘さを生かす
フルーツの品質に自信があるから、生クリームは最小限で十分。ミルキーな味わいのクリームで、自然な甘さを引き立てる。
3 切り口を計算してフルーツを並べる
カットした断面に2種類以上のフルーツが見えるよう、計算しながら配置。食欲をそそる、美しい断面に仕上げる。
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フルーツギフト&デザートカフェ ツルザワ
大阪府河内長野市本町24-1 ノバティながの北館1F
TEL.0721-52-3140
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
〈撮影/石川奈都子 取材・文/野崎 泉〉
石川奈都子(いしかわなつこ)/撮影
写真家。料理本など暮らしまわりの撮影から建築、インテリア、工芸、旅、ポートレートまで幅広く興味深い世界を写している。京都西陣にて 「顔の見える間柄でお互いの得意なものを持ち寄り交換して暮らせる社会があればいいねと始めたマルシェ」環の市(かんのいち)主宰。3ヶ月に一度の8日毎。他「地球にもこころにも身体にもやさしい暮らし」をモットーにあらゆる自然療法の講座を企画主催しています。
Instagram:https://www.instagram.com/ISHIKAWANatsukoPhotoStudio/
石川奈都子officialwebsite:http://ishikawanatsuko.jp/