(『天然生活』2021年7月号掲載)
夏野菜に発酵調味料
体になじむつくりおき
「夏になると、近所の方が育てた野菜のおすそわけがありがたくて」と寺田聡美さん。新鮮な野菜をじっくり焼く、煮込むなどして甘味を引き出し、長期熟成させた発酵調味料を加えると、シンプルなつくり方でも深みのある味わいになるそう。
地元の香取では、しょうゆとみりんの甘辛味が多いので、塩分をしょうゆ麹や塩麹に、砂糖やみりんを甘酒に替え、慣れ親しんだ味に近づけているのだとか。
「酢や梅などの酸味やスパイスを隠し味に加えるのも夏の知恵。味も締まってさっぱりするだけでなく、保存にも一役買います」
寺田聡美さんに教わる
夏野菜のしょうゆ麹漬けのつくり方
しょうゆ麹は、それ自体がうま味たっぷりのたれ。甘味が出た焼き野菜に、隠し味の塩をふり漬け込んで。
材料(つくりやすい分量)
● なす | 4本(400g) |
● かぼちゃ | 320g |
● さやいんげん | 120g |
● 菜種油 | 適量 |
● 塩 | 適量 |
〈漬けだれ〉 | |
・しょうゆ麹(※記事後半でつくり方を紹介) | 大さじ4 |
・酒 | 大さじ2 |
・おろししょうが | 1片分 |
つくり方
1 なすはへたを切り、蛇腹に切り込みを入れて縦半分に切る。かぼちゃは種とわたを除いてくし形に、いんげんは食べやすく切る。
2 漬けだれをつくる。小鍋に酒を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたらバットなどに入れる。おろししょうが、しょうゆ麹を加えて合わせる。
3 フライパンに多めの菜種油を入れて火にかけ、1の野菜を並べて香ばしく焼き、塩をふる。温かいうちに2に漬け込む。
保存期間
ラップなどで表面にふたをし、冷蔵庫で2〜3日
おすすめの食べ方
温かいごはんにのせてつけ汁を回しかけ、丼に。そう麺にのせてあえ麺に。お弁当のおかずにも。
しょうゆ麹の材料とつくり方(つくりやすい分量)
材料(つくりやすい分量)
● 麹 | 1カップ |
● しょうゆ | 1カップ |
つくり方
1 麹を保存容器に入れてほぐし、しょうゆを合わせて軽くふたをし、1日1回かき混ぜながら冷暗所におく。
※1週間後から食べられる。食べごろは3カ月後くらいから。
* * *
〈撮影/山田耕司 取材・文/吉田佳代〉
寺田聡美(てらだ・さとみ)
江戸時代より続く千葉県にある造り酒屋「寺田本家」23代目の次女。醸造元育ちならではの、発酵食品を生かした日々のレシピが人気。「発酵暮らし研究所&カフェうふふ」主宰。著書に『寺田本家 発酵カフェの甘酒・酒粕・麹のやさしいおやつ』(家の光協会)ほか。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです