なるべくごみを増やさず、ごみをごみにしないために、できることはたくさんあります。日常のなかで心がけられること、変えていけることを、鴨志田農園の鴨志田佑衣さんに聞きました。
(『天然生活』2021年2月号掲載)
(『天然生活』2021年2月号掲載)
鴨志田佑衣(かもしだ・ゆい)
助産師。夫は東京都三鷹市「鴨志田農園」園主の鴨志田純さん。農園で採れる旬の野菜をたっぷり用いた彩り豊かな料理を、インスタグラムで日々発表している。
鴨志田農園 鴨志田佑衣さん
本当の旬を大事に食べきる
結婚して農家の家族になり、野菜の入手の仕方が変わりました。そのときの旬のものだけ、さらに傷や虫食いの野菜が、うちにどっさりやって来るんです。
当初こそ、同じ野菜がこんなにあるのかと戸惑いましたが、義母と夫がどれだけ丹誠込めてつくっているかを見ているので、なんとか大切に食べきりたいと思いました。
今年の夏は、たくさんあったミニトマトを何度かドライトマトにしましたが、その際、取り除いた種でつくったナンプラーべースのたれがとてもおいしく、ずいぶん楽しみました。
私が農業の尊さを最初に感じたのは、結婚前に旅行で訪れた島根県の農家さんから、土に触れながら「次世代への橋渡し」という言葉を聞いたときでした。
当時、「有機野菜は体にいい」程度の認識だった私は、衝撃を受けたのです。
このように情報だけでなく、五感で背景を感じとれる場や機会が増えていくと、農作物の価値がもっと見いだされていくのではと思います。
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〈構成・文/保田さえ子〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです