• どこまでも続く雪原、分厚い氷、愛らしいペンギンたち。そんな大自然が広がる南極に、南極観測隊が毎年派遣されているのはご存知の方も多いでしょう。でも、南極観測隊と聞いても、自分の生活とはかけ離れたものと思っていませんか? しかし実は、私たちの暮らしに直結する観測をたくさん行ってくれているのです。そこで、フジテレビが同行取材を行った、第64次観測隊に参加している名古屋大学の栗田直幸先生に、素朴な疑問をぶつけてみました。(タイトル写真提供/フジテレビ)

    Q11 実際に南極に到着して感じたこと、観測を行って感じたことはなんですか?

    最初の南極観測は、先遣隊に参加して航空機で南極大陸に向かいました。Tシャツ姿で南アフリカのケープタウンを出発してから約5時間後、飛行機の扉を出ると、地平線まで続く白い大地が広がっていました。「これが南極か!」と感じると同時に、急激な環境の変化に戸惑いました。

    一方、今回は初めて「しらせ」で南極に向かいましたが、1カ月の航海を経ても到着できず、南極は遠い場所だと痛感しました。とくに、ぶ厚い氷に覆われた海氷域では、船が1日に数百メートルしか前進できない日もあり、南極に行くことの困難さを目の当たりにしました。

    観測を行って感じたことは、「南極に対する印象が大きく変わった」ことです。これまでに訪れた真冬のシベリアや北極海で見た景色を想像していましたが、まったくの別世界でした。

    明瞭な地層を露出した露岩域が海岸沿いに広がり、その背後には白い大陸が広がっていました。白い大陸も、表面の雪を少し掘ると「グレイシャーブルー」と呼ばれる青みがかった色に変わります。また、観測は南極の真夏(1月)に行いますので、太陽が沈まない白夜が続きます。南極の内陸域は、太陽の光でキラキラと輝く雪原が地平線の果てまで続く異世界であり、その中で生活していると、地球ではない、どこか違う星に来たと錯覚しそうになります。

    そして、観測を終えて日本への帰国の途に着く頃、南極にも夜が訪れるようになります。数カ月ぶりに見た夕日は、南極観測における最後のハイライトでした。

    画像: Q11 実際に南極に到着して感じたこと、観測を行って感じたことはなんですか?

    栗田直幸(くりた・なおゆき)
    名古屋大学・宇宙地球環境研究所准教授。専門は、地球惑星科学(地球化学、気象・気候学)。これまでにシベリアやチベット、赤道インド洋など世界各地で、観測活動を実施。第60次、第64次南極地域観測隊に参加。(写真提供/フジテレビ)

    <監修/国立極地研究所 取材・文/編集部 取材協力/フジテレビ>



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