(『天然生活』2020年2月号掲載)
何度も使えて、たくさんあると便利なみつろうラップ
しなやかな手触りで、形あるものにやさしく寄り添うみつろうラップ。布にみつろうと植物オイル、植物樹脂を混ぜて付着させたもので、何度も繰り返し使えるのが特徴です。
汚れたら水洗いも可能。食器のように洗剤で洗うこともでき、少しずつシワは残りますが、そのまま干しておけば自然に乾いて元の姿になります。
兵庫県・神戸元町でグローサリーを営む安藤美保さんは、みつろうラップの愛用者。1年ほど前から、友人とともに手づくりを始め、生活のなかで活用しています。
「余った野菜が乾燥しないように包んだり、ふたの割れてしまったびんにかぶせたり、いろいろなところで使っています。手の熱だけで折り目と折り目がくっつくので、輪ゴムやひもはいりません。天然素材だから、食べものに直接触れても大丈夫なんですよ」
みつろうは、みつばちが巣をつくるときに分泌されるろう成分。天然素材で保湿力があることから、ハンドクリームやワックス、クレヨンなど子どもの玩具にも使われています。
このみつろうに、植物オイルと粘着性を高める樹脂を混ぜ、布に付着させたのがみつろうラップ。密着度はラップフィルムほどではないですが、同じようなシーンで役立ち、繰り返し使えます。
※ みつろうやみつろうラップは、1歳未満の乳児の口に入るものに使用しないようご注意ください。
みつろうラップの使い方
使い方① 食品用ラップフィルムの代わりに
余ったおかずや朝食のヨーグルトなどを、器に入れて保管しておきたいときに。そのまま冷蔵庫にしまえるのもうれしいポイント。ホームパーティーなど準備に時間がかかるときにも活躍しそうです。
使い方② 適度に通気する発酵食品のふたとして
自家製の発酵調味料を入れたびんにかぶせて。適度に通気し、さっと取りはずせるので、たびたび混ぜる必要があるものにも便利です。ふたをなくしたときの代役にも。
使い方③ ハーブを包んでみずみずしさを保つ
料理で数本余ったローズマリーなど、少量の食材を冷蔵保存するときも、さっと包めば乾燥よけに。フレッシュなハーブや庭に咲いた花などをラッピングして、ちょっとしたインテリアやプレゼントにするのもおすすめです。
使い方④ サンドイッチを包んでお弁当にも
サンドイッチやおにぎりなどを包んでお弁当に。軽いので持ち運ぶのも楽。そのまま広げればお皿代わりにもなり、アウトドアにもぴったり。熱いものを包むとみつろうが溶け出してしまうので、冷めてからラッピングをしてくださいね。
使い方⑤ 切った果物や野菜の乾燥防止に
使いかけの野菜や果物は、切り口をすっぽり覆って冷蔵庫へ。ラップフィルムのような密閉度や密着性はないけれど、ある程度の乾燥は防げます。天然素材からできたラップなので、食材に直接に触れても大丈夫。
使い方⑥ 贈りものの包装に
贈りものを包んで手渡せば、みつろうラップもまた粋なプレゼントに。手の熱で自在に形が変わるのでどんなシルエットのものでも包みやすく、リボンなどがなくても適度に接着。ねじって手で温めれば、そのままの形を保てます。
〈制作/安藤美保 撮影/石川 奈都子 取材・文/山形恭子〉
教えてくれた人
安藤美保(あんどう・みほ)
兵庫・神戸元町「ネイバーフード」の店主。近郊の野菜や国内外の加工品、自家製スイーツなども扱っている。飲食にたずさわる友人と「ボタニカルラップ」の名でみつろうラップを広める活動を始め、不定期でワークショップを開催する。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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