(『とびきりおいしい おうちごはん』より)
個性豊かな野菜たち
野菜が育つ土の中には、いろんな生物が共存しています。
日射しや雨の量など、同じ条件で育っても、不思議なことに、色やかたちなどの個性はさまざま。
なんだか人間みたいで、おもしろいのです。
野菜はその季節を過ごすのにちょうどいい水分を体に補給してくれます。
夏は葉っぱや夏野菜、冬は根菜と、お店で一番前に並べてある旬の野菜を食べていれば、ちゃんと暑さや寒さに強い体になります。
ミネストローネのつくり方
スープはたのしい料理。バラバラの個性の野菜たちが、味と水分を出し合い、まとまるようにしてひとつのおいしさをつくりあげます。
材料(2~3人分)
● ベーコン | 50~80g |
● にんにく | 1かけ |
● ① | |
・にんじん | 1本 |
・玉ねぎ | 1/2コ |
・セロリ | 1/3本 |
● ② | |
・じゃがいも | 4コ |
・キャベツ | 5~6枚 |
・ズッキーニ | 1本 |
・ミニトマト | 10コ |
● 水 | 600mL(3カップ) |
● ローリエ | 1枚 |
● 塩 | 適量 |
● オリーブ油 | 大さじ2 |
つくり方
1 ベーコンと野菜を切ります。大きさや形はきちんとそろえなくても大丈夫。無農薬の野菜なら、皮や根っこも入れてみましょう。
2 ①②の野菜は、材料のすべてがそろわなくても、おいしくできます。キャベツは手でちぎると、味がしみこみやすくなりおいしい。
3 にんにくをつぶします。皮つきのまま、鍋やボウルの底を上からぐっと押し付けると簡単にできます。つぶれたら皮をむいて芯を取りのぞきます。
4 鍋を火にかけ、あたたまったらオリーブ油を入れて、ベーコンをじっくりいため、脂が出たらベーコンを取り出します。
5 ベーコンの脂が残った鍋ににんにくを入れてよい香りがしたら、2のうちの、①の野菜を入れて、しんなりするまで木べらでいためます。
6 火が通りやすい②の野菜、水、ローリエ、4で取り出したベーコンを入れて、ふたをして弱火でキャベツがクタクタになるまで煮こみます。
7 最後に味見をして、足りなければ塩を加えます。器に盛りつけ、仕上げにオリーブ油(分量外)をまわしかけたら、できあがり。
ひとくちメモ
・ミネストローネとは、イタリアの具だくさんのスープのこと。
・夏はとうもろこし、冬は里芋やほうれん草、かぼちゃなど、さまざまな旬の野菜を取り入れてみましょう。
本記事は『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館)からの抜粋です
〈撮影/安彦幸枝 文/小川奈緒 イラスト/三宅瑠人〉
野村友里(のむら・ゆり)
料理人。2012 年に東京・原宿にrestaurant eatrip 、2019年に東京・表参道にeatrip soilをオープン。ケータリングフードの演出や料理教室、食のドキュメンタリー映画『eatrip』で監督を務めるなど、幅広い活動をしている。「食の革命家」アリス・ウォータース率いるシェ・パニースで修業した経験を持つ。現在は朝日新聞デジタルにて、UAと「暮らしの音」を連載中。またJ-WAVE「SARAYA ENJOY! NATURAL STYLE」にて、長年ナビゲーターを務めている。著書に『eatlip gift 』『春夏秋冬 おいしい手帖』(ともにマガジンハウス)、『Tokyo eatri p』( 講談社)がある。2013年7月に『とびきり おいしいおうちごはん』(小学館)を発売。
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原宿にrestaurant eatripを開き、全米一予約の取れないレストラン「シェ・パニース」で修業した経験もある野村友里さんが、大人も驚くおいしさのレシピを、子どもがつくれるようにアレンジ。
唐揚げやチーズオムライス、ハンバーグや生姜焼きなどの基本の料理から、シェファーズパイ、お花しゅうまい、皮からつくるもちもち水餃子やラーメン、だしの取り方や手づくりウスターソースまで、 卵、肉、野菜、魚の料理を、約40レシピを紹介します。
レシピのほか、食の大切さや命をいただく大切さについても絵本仕立てで紹介し、「いつも何気なく口にしている食材はどこから来ているのか」といった食の本質について、わかりやすくたのしく伝える1冊です。