(『天然生活』2022年12月号掲載)
家族と過ごす、幸せで温かなクリスマス
「サンタさんって本当にいるの?」。幼かったお子さんの問いをきっかけに、サンタクロースを追いかけるようになった写真家の角田明子さん。被写体として抜群にチャーミングなこと、そして子どもたちの笑顔のために心をささげて活動する姿に胸打たれ、カメラに収めつづけています。
「北欧だけでなく、サンタクロースは世界中にいます。国や人によって服装が違い、クリスマスの文化もそれぞれだから面白くて。
ノルウェーなら、極寒の時季以外はノルディックセーターとひざ丈パンツが一般的。森の妖精を意味する『ユーレ・ニッセ』と呼ばれて親しまれ、家族で活動するサンタファミリーもいるんですよ」
たびたびノルウェーを訪れた角田さんが印象的だったのは、クリスマスは「家族のため」のイベントだということ。何日も前から準備し、指折り数える時間すら愛おしむ姿が忘れられないといいます。
「私も12月になったら飾り付けをして、準備から楽しむようになりました。当日は仕事を入れずに家族でごちそうを囲み、家族写真を撮るのがわが家の過ごし方です」
角田家のクリスマスの食卓は、フライドチキンやデコレーションケーキなど日本風のメニューと一緒に、ノルウェーで食べたミルク粥と豚のスペアリブ「ユーレリッベ」が並びます。
「ミックスすればより盛り上がるし、子どもたちがその国の文化を知るきっかけにもなります」。そして子育て中の人は、“特別な存在”であるサンタクロースを利用してほしいとも。
「たとえば『サンタさんに来てもらうために片づけよう』と促すと、うちの子はすんなりやってくれました。そんなふうに、教育に使ってもらうことはサンタクロースたちの願いでもあるんです」
ノルウェーの冬の楽しみ
クリスマスを心待ちにする
街では11月中旬から毎週のようにクリスマスイベントが開かれ、各家庭でもツリーや部屋の飾り付けがスタート。「クリスマスまでの4週間、日曜日ごとにキャンドルを灯すアドベントキャンドルを家族で囲みます。準備も楽しむ豊かさに感激しました」
ミルク粥をデザートに
北欧には、クリスマスイブの夜にユーレ・ニッセの好物のミルク粥を納屋に置く風習が。その名残でミルク粥をクリスマスのデザートにする家庭が多いそう。「ミルクで煮た甘いお粥で、とてもおいしいんです。私はクリスマス以外でもつくっています」
気分が高まる、ドリンクやお菓子
11月くらいからスーパーにクリスマスパッケージのドリンクやお菓子が登場。「意外かもしれませんがサンタさんは豚と仲良し。豚モチーフが多いのは北欧ならではかも」。冬の定番であるホットワイン「グルッグ」はクリスマスにも欠かせません。
サンタと楽しむ冬のイベント
毎年1月、ノルウェーのサンタクロース協会が運動会を開催。サンタクロースたちが「本気で」ゲームを楽しみ、ときには観客が参加することも。「サンタさんの活動をねぎらう会ですが、なぜか運動会(笑)。競技が終わると松明(たいまつ)を持って夜道を行進します」
ノルディックセーターが定番
ノルウェーに伝わるノルディックセーターは防寒性に優れ、サンタクロースのユニフォームとしてもうってつけ。「トナカイや雪の結晶をモチーフにしたノルディック柄は温かみがあっておしゃれ。いいものは高価だけど、いつか本場で手に入れたいです」
〈写真/角田明子 取材・文/熊坂麻美 イラスト/芳野〉
角田明子(つのだ・あきこ)
「喜びと幸せを伝える写真」で広告や雑誌などで活躍。サンタクロースの撮影をライフワークとして10年以上続け、個展やイベントで発表している。
http://www.akikotsunoda.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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